高野洸、『明日カノ』で発揮する“シゴデキ”ぶり 意外なキャスティングがハマリ役に
今期のドラマは2.5次元俳優たちの活躍がめざましかった。
ミュージカル『テニスの王子様』や『薄桜鬼』などの人気舞台作品のみならず、グランドミュージカルでも活躍する味方良介は『恋なんて、本気でやってどうするの?』(カンテレ・フジテレビ系)ほか4作品に、東啓介は『ナンバMG5』(フジテレビ系)に出演。『悪女(わる)~働くのがカッコ悪いなんて誰が言った?~』(日本テレビ系)では、荒牧慶彦、和田雅成、赤澤遼太郎、高橋健介といった2.5次元界のスターたちが、ほぼ毎週ゲスト出演している。
その中でも、『明日、私は誰かのカノジョ』(MBS・TBS/以下『明日カノ』)に出演中の高野洸は今期一の注目を集めたと言っても過言ではない。
本作は、をのひなおの人気同名コミックを実写化。さまざまな思いを持つ5人の女性が、レンタル彼女編、パパ活編、整形編、ホスト編の各章の主人公となり、物語が展開されていく。高野が演じるのは、ホスト編の主人公の一人・萌(箭内夢菜)が出会うホストの楓だ。
高野は、TVアニメ『妖怪ウォッチ』のEDテーマ「ようかい体操第一」で一躍人気を博したDream5の元メンバー。2016年のグループ活動終了後は、俳優として2.5次元舞台を中心に活躍してきた。
ミュージカル俳優を目指す男子高校生たちの奮闘を描いたミュージカル『スタミュ』では、2017年から2019年まで虎石和泉/ティエラを演じた高野。ビジュアルはもちろんのこと、仕草や話し声まで原作に忠実な高野演じる虎石は観客を一瞬にして虜にした。虎石は女好きのチャラ男というキャラクターであるため、高野が甘い台詞を囁くたびに観客席から悲鳴が飛び交っていたほど。
さらに人気ミュージカル『刀剣乱舞』では、膝丸を演じ、2018年の『NHK紅白歌合戦』にも出場。Dream5時代に培った圧巻のパフォーマンス力が世間に知れ渡った瞬間だ。激しいアクロバットや殺陣をこなしながらも、歌声と芝居に少しのブレも生じさせない身体能力の高さ。また役に対する解像度も高く、2019年から主演を務めている舞台「『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』Rule the Stage」では、初挑戦となったラップで山田一郎というキャラクターの怒りや葛藤を色濃く映し出している。パフォーマンス、歌、芝居のすべてに演じるキャラクターの息吹を乗せられる、まさに“エンターテイナー”と呼べる存在だ。
そんな舞台上で神々しいほどの輝きを放つ高野が、楓を演じることに意外性を感じた人も多いかもしれない。高野は凛々しく整った顔立ちの持ち主だが、楓は原作で華やかなイケメンとして描かれているわけではないからだ。齊藤なぎさが演じているホスト編のもう一人の主人公・ゆあ曰く、「いわゆるイケメンって感じではないけど、雰囲気カッコいいよね」(ちなみにドラマでは、流石に「いわゆるNo.1って感じではないけど」という台詞に変更されていた)。さらに中身も、高野の爽やかで好青年なイメージを覆すミステリアスな役柄となっている。だが、結果的にこのキャスティングは大成功と言わざるを得ない。