『ちむどんどん』房子の驚きの正体が判明 ハードルが上がる一方の課題は暢子への親心?

 おでん屋の立て直しを任された暢子(黒島結菜)は、イタリアンの経験を生かして創作おでんを提供する。『ちむどんどん』(NHK総合)第42話で、暢子は店主のヨシ(大島蓉子)に「生まれてから一回もおでんを食べたことがないんです」と告白する。房子(原田美枝子)の出した条件は1週間連続で黒字にできれば合格、できなければクビというもの。無謀とも思える難題に暢子は果敢に挑む。

 そんな折、房子に驚きの事実が判明する。「アッラ・フォンターナ」の記事が雑誌に掲載され、やんばるの優子(仲間由紀恵)は房子の名前を見て目を丸くする。房子は賢三(大森南朋)の叔母で、暢子の大叔母に当たる人物だった。賢三が逝き困窮していた比嘉家に、子どもの一人を引き取ると申し出た東京の親戚が房子だった。土壇場で沖縄に残ることになったものの、あの時上京していれば、暢子は10年早く房子と出会っていたことになる。

 そのことを知った暢子は数々の理不尽な仕打ちが自分への親心だったと考える。しかし、房子の態度はそっけない。「聞いちゃったんだ」と表情を変えず、「どこの出身とか、誰の親戚とか一切関係ない」と言い渡すのだった。事実、おでん屋に試食に来た房子は、暢子のイタリア風おでんを一口食べただけで箸を置いた。後日、「客足はすぐ途絶える」と言った理由について、「自分で考えられないんだったら料理人なんて辞めちゃいなさい」と暢子を突き放した。

 房子が与える試練は入店テストに始まり、ペペロンチーノ対決、新聞社のボーヤと続き、今回のおでん屋ですでに4度目。その度に暢子はクビを賭けて勝負するのだが、客観的にクビのハードルがどんどん上がっている。そのことは暢子の料理人としての成長を示すものであり、房子が暢子を見守りながら手塩にかけてじっくり育てている証拠でもある。房子は否定も肯定もしないが、暢子が感じ取っている親心は本物だろう。

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