『マイファミリー』玉木宏演じる葛城の推理が冴えわたる 真犯人は心春の関係者?
温人(二宮和也)は逮捕され、東堂(濱田岳)は警察に行方を追われる身となった。『マイファミリー』(TBS系)第9話で一連の事件をめぐる駆け引きの主導権は警察の手に移り、5年前の事件とのつながりに注目が集まった。
実咲(凛美)の監禁場所で温人が見たもの。それは血を流して倒れている実咲の姿で、阿久津(松本幸四郎)の通報により駆け付けた警察に温人は連行されてしまう。鈴間(藤間爽子)は東堂をかばって警察に身柄を拘束され、未知留(多部未華子)と三輪(賀来賢人)も事情聴取を受けていた。事件が明るみに出たことでボールは警察の手に渡り、誘拐事件の捜査が本格化する。
しかし、捜査方針をめぐって警察内部では管理官の日下部(迫田孝也)と葛城(玉木宏)が対立。実咲の誘拐は東堂が温人とともに起こしたと考える日下部に対して、葛城は心春(野澤しおり)の事件との関連性を疑っていた。温人たちの供述が一致していることや、逮捕された当日の音声データから実咲の誘拐に別の犯人が関わっていると考えられたものの決定的な証拠はなく、このままでは東堂や温人の犯行にされてしまう。また犯人の狙いもそこにあると思われた。
ここで営利誘拐に執念を燃やす男、葛城の推理が冴えわたる。実咲の所持品のうち自宅の鍵が紛失していた。犯人は温人と阿久津夫妻に実咲の誘拐を口外することを禁じて、身代金を毎日1億、10日間に分けて運ぶように指示した。葛城はその狙いが、実咲が自宅で所有する物品にあると推測する。実咲が心春と同じ小学校に通っていたことから、葛城は2人の接点を突き止めるように進言するが聞き入れられず……。
留置場を訪れた葛城は、温人に友果(大島美優)を通じて実咲と心春の接点を探るように依頼する。かくしてボールは投げ返されたわけだが、警察内部で孤軍奮闘する葛城には、捜査に人生を捧げた男の覚悟が見て取れた。東堂からの電話に「犯罪者の指図は受けない」と冷徹さをにじませる一方で、東堂を「臆病者」と決めつける日下部に対しては「東堂はそんな男ではありません」と自身の立場も省みずに反論。「仕事だけが生きがい」と自嘲気味に笑う葛城がいなければ、5年前の事件もとうの昔に風化していたに違いない。