『トップガン マーヴェリック』トム・クルーズ&ヴァル・キルマー、再会の裏側が明らかに

 1986年に公開されたスカイアクション映画『トップガン』の36年ぶりとなる続編『トップガン マーヴェリック』が、世界中を熱狂の渦に巻き込んでいる。本作では、現代だからこそ実現した最新技術により、実際にキャストが戦闘機F-18に乗り込んで撮影したド迫力のドッグファイトや飛行シーンが最大の見どころだ。しかし、監督を務めたジョセフ・コシンスキーにとって、最も印象に残ったのは別のシーンだったようだ。

※本稿は『トップガン マーヴェリック』の展開に関する情報を含みます。

 続編では、かつて米海軍パイロットのエリート養成訓練校“トップガン”でライバルだったアイスマン(ヴァル・キルマー)の推薦により、マーヴェリック(トム・クルーズ)が再び同校で教官を務めることになる。しかし、その訓練生の中には、マーヴェリックの元相棒で訓練中に事故死したグース(アンソニー・エドワーズ)の息子ルースター(マイルズ・テラー)がおり、反抗的な態度を見せる彼との関係に悩んだマーヴェリックが、アイスマンの自宅を訪れて相談する展開となる。

 そのシーンについて、米The Hollywood Reporterのインタビューに応えたコシンスキー監督が、クルーズとキルマーの感動的な再会について思い入れたっぷりに語っている。

「私が、その全キャリアを尊敬する俳優の一人であるヴァルに最もアイコニックな役を演じてもらえただけでなく、トムを象徴するキャラクターとスクリーン上で再会させることができたのは、私にとって忘れられない思い出の一つです。彼らが俳優としてお互いにどれだけ尊敬し合っていたか、そして36年の間に進化した友情を見ることができたのです。2人は最高の俳優であり、この映画の重要なシーンで本当に美しい演技を見せてくれ、それは撮影セットで非常にエモーショナルな1日となりました。夏の大作映画で、これほどまでに感情移入できるシーンを撮ることは、そうありません」

 さらに監督は、その印象的なシーンのなかでも、元ライバルで今は良き友人となったマーヴェリックとアイスマンの間に今も競争心が残っていることをほのめかす、再会の最後のセリフが特に気に入っているとも続けた。「あのシーンには、常に競争心が存在している感じがあります。友人でありがながら、今も2人の間には自分が相手よりも上でいたいという思いがあって、それは全パイロット、そしてトムとヴァルの間にも存在していると思います」と述べていた。

 なお、2017年にキルマーは咽頭がんの手術を受けて声を失ったことを発表し、『トップガン マーヴェリック』の撮影にはAI技術を使い、自身の声を再生して参加している。大きな試練を乗り越えながらもアイスマン役で復活したキルマーが、30年以上の時を超えてクルーズとの再会が実現し、本人たちにとってもファンにとっても、忘れられない感動的なシーンとなったことは間違いないだろう。

参照

https://www.hollywoodreporter.com/movies/movie-features/behind-top-gun-mavericks-emotional-val-kilmer-tom-cruise-reunion-1235161648/
https://screenrant.com/top-gun-2-maverick-iceman-cruise-kilmer-scene-filming/
https://variety.com/2022/film/news/val-kilmer-top-gun-maverick-voice-artificial-intelligence-1235281512/

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