『恋マジ』など今期4作のドラマに出演 味方良介、テニミュから『教場』で開花した表現力

 2022年4月期のドラマで、ここにも! そこにも! あそこにも! と至るところで見かける俳優がいる。月10ドラマ『恋なんて、本気でやってどうするの?』(カンテレ・フジテレビ系/以下『恋マジ』)に出演中の味方良介だ。他にも今期は『俺の可愛いはもうすぐ消費期限!?』(テレビ朝日系/以下『俺かわ』)第4話、『元彼の遺言状』(フジテレビ系)第6話、『悪女(わる)~働くのがカッコ悪いなんて誰が言った?~』(日本テレビ系)第7話と、ゲスト出演を含めて全4作のドラマに登場している。

 そんな引っ張りだこの俳優・味方良介だが、意外にもテレビドラマの出演歴は浅い。味方は小学生の頃に観劇したミュージカル『エリザベート』がきっかけで俳優を志したこともあり、近年まで活動の拠点は舞台にあった。

 ブレイクを果たしたのは、デビュー1年後に出演したミュージカル『テニスの王子様』(以下、テニミュ)2ndシーズン。城田優や瀬戸康史、斎藤工らを輩出し、“若手俳優の登竜門”と呼ばれるこの舞台で、味方は柳生比呂士役を演じて人気を博した。柳生は、2年連続全国大会優勝の経歴を持つ最強王者・立海大附属中学校のテニス部に所属。普段は紳士的な言動とふるまいで“ジェントルマン”と称されているが、コート上では容赦なく相手を打ちのめす冷徹ぶりを見せる。味方の繊細でよく通る声としなやかな身のこなしがそんなキャラクターにぴったりとハマった。

 以降、ファンの間で“みかてぃ”との愛称で親しまれている味方は『薄桜鬼』 や『黒執事』などゲームや漫画を原作としたミュージカルに出演し、2.5次元俳優の仲間入りを果たす。一方で、2017年には史上最年少となる24歳で、つかこうへい作『熱海殺人事件』の木村伝兵衛役に抜擢されて話題に。その後もミュージカル『ロミオ&ジュリエット』などに出演し、ストレートプレイから自身の原点となるグランドミュージカルへその拠点を広げていった。

 そんな中、2020年に木村拓哉主演の『教場』(フジテレビ系)でテレビドラマ初出演。工藤阿須加、濱田岳、三浦翔平といったすでに映像界で活躍中の俳優たちと肩を並べる、警察学校の生徒役の一人に抜擢されたのだ。味方が演じた都築は学内トップの成績でありながら、警察を忌み嫌い、木村演じる教官の風間にも躊躇いなく食ってかかる異端児。しかし、物語の後半で風間に詰め寄られ、涙ながらに警察嫌いになった理由を語る場面は味方の高い演技力とともに評判を呼んだ。長年オーバーリアクションが求められる舞台でキャリアを積んできた味方だが、同作で演じる役の複雑な感情や小さな心の揺れを映し出し、映像界でも通用することを世に知らしめたのだ。2.5次元舞台からグランドミュージカル、そして映像界に出演するという流れは同じテニミュ出身者の古川雄大、黒羽麻璃央、東啓介らと共通している。

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