最終回を迎えた『明日』 小さな幸せの連続が希望となることを教えてくれる韓国ドラマに

 規則を破ったリョンを地獄に連れ戻そうとする地獄のハ・デス代表(パク・フン)からリョンをかばうジュンギル。妻だろうが部下であろうが、大切に思う人を守ろうとする姿は前世も今も変わらない。それにジュンギルは、過去を知ったことで危機管理チームの存在意義を受け入れたようだ。大切な人を自殺により失くした苦しみや悲しみを誰よりも知っているから、同じことが繰り返されてはならないと。夫婦としての縁は切れてしまった二人だが、ジュンギルはこれからもリョンの味方となるだろう。上司と部下であることには変わりはないのだ。

 会長がリョンに危機管理チームを任せたのは、リョン自身を救うためでもあった。そこに現れたチェ・ジュヌン(ロウン)の最大のお節介により、「自分を救えるのは自分自身」だと気づかされたリョン。天界や宇宙を支配する玉皇大帝でさえ誰かの人生を決めることはできない。終わらない今日を過ごす死神も、今日を生きる私たちも選択するのは自分自身なのである。

 「走馬灯」で任務を果たしたジュヌンは人間に戻り日常を送っていた。リョンとイム・リュング代理(ユン・ジオン)とは呆気ない別れ方ではあったが、「全ての縁は一度切れるもの」であるならば、きっとこれは永遠の別れではない。なぜならジュヌンは今、屋上から飛び降りようとしている同僚を必死に止めている。そう、半分人間、半分幽霊になってしまった時と同じシチュエーションだ。ジュヌンはこの世の危機管理チームとして活躍中なのである。

 「希望」と言われると何か壮大なものを想像してしまう。ジュヌンの言うとおり、日々希望を持って生きるのは思った以上に簡単ではない。だから希望がないと絶望して何もない自分を責めてしまう時もある。それでも皆で食べるご飯は美味しくてあたたかいと感じるし、会社帰りにビールを飲みながら同僚と愚痴をこぼせばスッキリする。だとしたら、目の前にある幸せに目を向けることは案外難しいことではないのかもしれない。そんな小さな幸せの連続が希望となり、『明日』となるのだから。

■配信情報
『明日』
Netflixにて独占配信中
(写真はMBC公式サイトより)

関連記事