『流浪の月』広瀬すずと松坂桃李が役作りで繋いだ15年 人間臭さが詰まった横浜流星も

 劇中で印象的だった俳優のひとりが、更紗の恋人である亮役を演じている横浜流星だ。2022年1月期のTBS日曜劇場『DCU』では、幼い頃の記憶に苦悩しながらも強気なキャラクターを演じた横浜だが、これまでは学園もの、ラブコメ、青春ものなど、どちらかといえば登場人物の中でも光を放つ、キラキラしたイメージが強かった。だが本作では、微笑みや幸せそうな姿はもちろん、対照的に病みやつれた姿、そして予告編にもあるように暴力的な面も見せる。亮の更紗への愛情はやがて支配、そして暴力へと変わっていく。今回の亮という役で、人間臭さが色濃く詰まっているような横浜の新たな姿を見た。

 原作のファンだった横浜は李監督に直接会い、思いを伝え、当時未決定だった亮役のオファーを受けたという。横浜が2021年に出演したTBSドラマ『着飾る恋には理由があって』の出演に関しても、プロデューサーの新井順子が、過去に横浜から逆オファーを受けたことがきっかけだったと話しており(※1)、横浜の作品に臨むその行動力に驚かされる。「僕自身が誰よりも亮を愛した」と語る横浜流星が全うした亮というキャラクターもしっかりと見届けてほしい。

参考

https://realsound.jp/movie/2021/04/post-744907.html

■公開情報
『流浪の月』
全国公開中
出演:広瀬すず、松坂桃李、横浜流星、多部未華子、趣里、三浦貴大、白鳥玉季、増田光桜、内田也哉子、柄本明
監督・脚本:李相日
原作:凪良ゆう『流浪の月』(東京創元社刊)
撮影監督:ホン・ギョンピョ
製作総指揮:宇野康秀
製作幹事:UNO-FILMS(製作第一弾)
共同製作:ギャガ、UNITED PRODUCTIONS
配給:ギャガ
(c)2022「流浪の月」製作委員会

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