『ちむどんどん』片桐はいり、石丸謙二郎が比嘉家に襲来 国民の声を代弁した“朝ドラ受け”
『ちむどんどん』(NHK総合)第22話では、比嘉家に2人の“天敵”が襲来する。その1人目が音楽教師の下地響子(片桐はいり)である。
歌の才能をいち早く見抜いた獲物・歌子(上白石萌歌)を追いかけてやって来た、第17話~第18話以来の再来。情熱のおもむくまま、アニメ『トムとジェリー』ばりの追いかけっこを繰り広げていた(NHKドラマ・ガイド『連続テレビ小説 ちむどんどん Part1』で、片桐はいりも『トムとジェリー』と例えている)前回に比べて違うのは、怒りの感情がむき出しなことだ。
ハンバーガーショップ「サンセットバーガー」で開催する予定だった愛弟子のミニライブを賢秀(竜星涼)に潰された下地は、「音楽を愛する全ての人に対する冒涜」だとして告訴すると言い出した。おまけに脚を“複雑打撲“して歩けないという、明らかな嘘を付け加えて。そんな下地が比嘉家にやって来た本当の目的は、やはり歌子の歌だった。それも中途半端ではない、魂の声。下地、そして家族の期待に応え、歌子はついに人前で歌い始める。
曲はいつもの「翼をください」ではなく「椰子の実」。島崎藤村が作詞し、数多くのアーティストによってカバーされてきた楽曲で、劇中歌として何度も使用されてきたことからもすでに馴染みのある曲になってきているが、その歌声が演じる上白石萌歌であることはここで初めて明らかになっている(「そうだよね」という感じでもあるが)。
俳優としてだけでなく、「adieu」名義でアーティスト活動を行い、さらに歌子と同じく名前に「歌」が入る上白石にとって歌子は当て書きのような役だ。CMソングとして流れていたスピッツ「楓」のカバーや「THE FIRST TAKE」への出演など、すでに上白石の澄み切った歌声は広く知られているが、こうして朝ドラにて大々的に取り上げられることによって、歌子を介してさらなる層に認知されていくのだろう。単純に朝聴くのにぴったりな歌声でもある。「あなたの才能を花開かせるために、私は音楽教師になった」と下地が確信するのにも納得だ(賢秀が隠れているのを見抜けるのは、歌子とだけの『トムとジェリー』設定なのか?)。