『ナンバMG5』森本慎太郎の良さが凝縮された大丸 ヤンキーたちの素直っぷりが切ない

 しかし、大丸が真っ直ぐであるがゆえに、剛と仲違いするシーンは切ないものがあった。剛がヤンキーであることを隠していることを「卑怯だ!」「大切な人を騙している」と指摘した大丸。視聴者としては大丸の言い分に納得する反面、剛の苦悩を見てきたからこそ「そんなこと言わないであげてほしい……」と思ってしまったのも本音だ。そして、大丸と剛、普通の高校生活を送りたい、ケンカなんて…と思っている部分でも近づけそうな2人がすれ違ってしまうのはシンプルに悲しい。実際、この言葉は剛自身にも影響を与えた様子。今後の動向からも目が離せない。

 切ないシーンという意味では、伍代と彼の昔の仲間・真宮翔(神田穣)のやりとりにも触れておきたい。もともと中学時代は一緒にヤンキーをやっていた2人。しかし、彼らは高校に進学する前に仲違いしてしまう。その原因は、中学の先生から伍代の親はテレビに出るような有名な料理研究家であるのに対し、真宮の父親は人殺しであることを「親が親だからな」と言われたことにあった。自分の中では払拭し、気にしないようにしていたことを第三者からバイアスをかけて見られることはどんなに辛いことだろう。

 この言葉をきっかけに伍代に対して「金持ちのくせにヤンキーやっててイラつく」と思ってしまうようになった真宮。その言葉を聞いて伍代が「悲しいこと言ってんじゃねぇよ! おめぇを笑った奴らに負けてんじゃねぇか」「俺はおめぇのことそういう目で見たこと一度足りともねぇんだよ」と叫び、頬を殴ったシーンはグッとくるものがあった。

 さらに続けて、「俺はオメェのツレだ! ヤクザになんかさせるかよ」と伍代。この言葉、自分の居場所なんてない、環境が違ったら結局は分かり合えないと自暴自棄になっていた真宮にとってはどれだけ嬉しい言葉だったのだろう。

 しっかりとコメディタッチでありながらキュンあり、感動ありの『ナンバMG5』。個人的にはもう少し彼らの仲良しっぷりを見たいところだが、来週以降は剛、伍代、大丸、そして彼らの高校で抗争勃発の予感! 早く彼らのすれ違いが終わることを願いつつ、迫力満点のケンカシーンを楽しみにしたい。

■放送情報
『ナンバMG5』
フジテレビ系にて、毎週水曜22:00~22:54放送
出演:間宮祥太朗、神尾楓珠、森川葵、森本慎太郎(SixTONES)、富田望生、原菜乃華、加藤諒、米本学仁、満島真之介、鈴木紗理奈、宇梶剛士ほか
原作:『ナンバMG5』『ナンバデッドエンド』小沢としお(秋田書店『少年チャンピオン・コミックス』刊)
脚本:金沢達也
演出:本広克行
プロデュース:栗原彩乃
編成企画:上原寿一
制作・著作:フジテレビ第一制作部
(c)フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/nanbaMG5/
公式Twitter:@nanbaMG5_
公式Instagram:@nanbamg5_

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