『持続可能な恋ですか?』上野樹里と田中圭がすれ違い “奪われても嬉しいもの”の答えは?

「大事なことは心に誰が住んでいるかということ」

 “人と住まうこと”が描かれた『持続可能な恋ですか?~父と娘の結婚行進曲~』(TBS系)第3話。

 「同棲はよく出来た結婚もどき」で「一緒に住むって相手の時間を奪うことになる」とは杏花(上野樹里)の親友らの言葉だが、確かに誰かとの共同生活は時間の共有し合いであり、それは裏を返せば時間の奪い合いとも言えなくはない。“家事は得意な方が得意なことをやればいい”というルールの下始まったシングルファーザー・東村晴太(田中圭)と元妻・安奈(瀧内公美)の結婚生活は、安奈側の時間や労力ばかりが奪われてしまう結果となり、長くは続かなかったようだ。

 これは、家事を完璧にこなす幼なじみ・颯(磯村勇斗)との同居生活について、杏花が言った言葉とも通ずる。

「私とお父さんには気を遣わないこと。料理してくれんのも掃除してくれんのもマジ神だけど、神様とは一緒に住めない」

 どちらか片方だけに我慢や負担を強いて、一方的な奉仕にばかり甘える共同生活はいずれ破綻する。そんなに無理しなくても颯が良い奴だってことは知ってるからと言う杏花に衝動的に抱きついた颯は、心から安堵し救われたかのような表情を見せた。幼少期、両親があまり仲良くなかったとこぼしていた彼には“そのまま”を認め受け入れてくれる家族がもしかするといなかったのかもしれない。そして、そんな中でなんとか自身の存在意義や居場所を獲得するために、自分の時間を差し出すことばかりしてきたのかもしれない。酔っ払って帰宅した杏花を心配し水を持って行こうとするも、晴太との電話中だった彼女に存在を誤魔化され、部屋の前にそっとコップを置く時のあの切ない颯の表情がなんだか頭にこびりつく。

 一方、晴太は「時間も体力も虹郎(鈴木楽)に奪われるばっかりで。ただ、時々こう心がふわっとする瞬間があって。奪われてるようで何かもらってる?みたいな」と、息子との2人暮らしについて語った。初めて“奪う/奪われる”を超越した話が持ち出され、これには杏花も感服してしまい、もしかすると自分が立ち入る隙はないと思ってしまったのかもしれない。

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