オフモードの松下洸平に癒やされる 『やんごとなき一族』土屋太鳳を懸命に支える力強さも

 一難去ってまた一難。深山家の強烈なしきたりはとめどなく続いた。『やんごとなき一族』(フジテレビ系)の第2話では、名家ならではのルールに翻弄されながらも、必死に抗う佐都(土屋太鳳)の姿が描かれる。さらに順風満帆と思われた佐都と健太(松下洸平)の関係をぶち壊すかの如く、圭一(石橋凌)の送り込んだ刺客が現れるのだった。

 深山家に嫁ぐことの「真の意味」を徐々に知る佐都であったが、そこには許し難いしきたりも。圭一は久美(木村多江)という存在がありながら、毎週木曜日は愛人・綾(小沢真珠)の家に泊まり、そんな関係を当然のごとく続けてきたのだ。深山家にとっての愛人は「主人を癒すための存在」として受け入れられてきた。さらに政略結婚が常の名家にとって、結婚と愛情は別物。久美を含め、深山家の子どもたちもそんな実情を当然のことと飲み込んできたのだ。しかし佐都はそこで怖じ気付くことなく綾に立ち向かう。

 早くも、佐都が深山家の理不尽さに対して啖呵を切る姿に爽快感を覚え、やみつきになる。納得のいかないことには、はっきりノーと言える佐都と、それを性別や育ちに囚われることなくサポートする健太の姿からは「革命」の力強さが感じられる。土屋太鳳は今回も身体能力の高さを武器に、豪華な絨毯をハードルのようにガンガン飛び越え、体力勝負な深山家での日々を見事に演じきった。次は佐都がどんな目にあってしまうのだろうとハラハラしつつも、土屋の演じる佐都には簡単にはへこたれないという信頼感もある。すでに2話にして、佐都ならやってくれるだろうと思える頼もしいキャラクターになっているのだ。

 その一方で、この作品に微笑ましさを与えてくれるのが、佐都と健太が部屋で見せる伸び伸びとリラックスした姿だろう。帯をきつく締められたかのような緊張感のある世界から一度解放され、二人の甘い生活に安堵と癒しを感じることができる。

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