『鎌倉殿の13人』菅田将暉が義経として無双状態 青木崇高&秋元才加の悲しい最期も

 義経の口から、かの有名な「鵯越えの逆落とし」の策が打ち出されたとき、景時は「いい加減になされよ!」と叱責した。多くの兵を無駄死にさせる気かと話す景時に、耳を傾ける義経の目が凍りつくように冷ややかで、不安を感じる。馬からおりるという義経の案に景時が異議を唱えると、義経は「戦に見栄えなど関わりない! そんなことのために大事な兵を無駄死にさせてたまるか」と景時に言われた言葉をそのまま言い返した。

 義経の言葉に中村が苦々しい表情を見せる度、景時の腹の内ではどのような感情が渦巻いているのかが気になって仕方がない。しかし、景時が「なぜ、あの男にだけ思いつくことができるのか……」と口にしたとき、中村の声色と一点を凝視する表情からは、純粋に、義経の軍才に目をみはっているのだと思わされた。景時は自分の感情をあまり表に出さないが、彼の心の機微を中村が目つきや顔つき、声色にのせることで、景時の義経に対する嫉妬心の芽生え、そして危険視し始めていることがわかる。

 勝機を感じ取った義経の猛々しい表情で幕を閉じた第16回。戦をするために生まれてきた男・義経の活躍はまだまだ始まったばかりである。

■放送情報
『鎌倉殿の13人』
NHK総合にて、毎週日曜20:00~放送
BSプレミアム、BS4Kにて、毎週日曜18:00~放送
主演:小栗旬
脚本:三谷幸喜
制作統括:清水拓哉、尾崎裕和
演出:吉田照幸、末永創、保坂慶太、安藤大佑
プロデューサー:長谷知記、大越大士、吉岡和彦、川口俊介
写真提供=NHK

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