『SPY×FAMILY』アニオリシーンが生かされた“家族”描写 星野源による優しいED曲にも注目

 テレビ東京ほかにて放送中のTVアニメ『SPY×FAMILY』。第3話「受験対策をせよ」では、ついにヨルをロイド家へ迎え入れる。「受験対策」と称して3人で一緒に休日を過ごすうちに、段々と距離が縮まっていくようすが微笑ましかった。

『SPY×FAMILY』公式サイトより

 第3話は、「家族になっていく」3人の姿が優しく描かれていた。ヨルがロイド家にやってくると、アーニャは積極的にヨルを部屋に案内する。電気のスイッチや洗面台、ドアノブなど高い位置にあるものを掴む際、背伸びをしたり、台を使ったりしていたアーニャの姿が愛しい。

 アーニャの部屋は、ピンク色を基調とした部屋にぬいぐるみやおもちゃ、ポスターなどが飾ってあり、可愛らしかった。

 アニメオリジナルとして、アーニャが掃除を手伝ったり(ロイドいわく、バケツをひっくり返しただけだが)、ロイドやヨルがクッキーやココアを作ったりする描写が挿入されている。

 「アーニャ、ココア飲みたい」とヨルに伝えたアーニャに、「砂糖、ミルク入りな」と付け加えたロイド。しっかりと子どもの好みを理解しているロイドは、父親としてまた一歩成長したように見えた。

 他にも、第3話ではロイドが「父親らしく」アーニャに接していた場面がいくつかあった。アーニャの言葉の間違いを訂正したり、人から親切にしてもらった際に「ちゃんとお礼言え」と優しく教えたり。

 大衆の演説を聞いて気分が悪くなったアーニャを抱き上げて、即座に場所を移動したロイドはスマートでかっこよかった。最初は手をつなぐのさえ戸惑っていたロイドだが、今はしっかりとアーニャの父親である。

 第3話でとくに印象に残っているのは、ロイド、ヨル、アーニャの3人でひったくり犯を捕まえた場面だ。「許せません」と真っ先に飛び出したヨル、人々の心を読んで犯人を発見したアーニャ、犯人に飛び乗り財布を取り戻したロイド。3人は図らずも抜群なチーム連携を見せ、見事にひったくり犯を捕まえた。

 財布の持ち主のおばあさんから、感謝の言葉とともに「あなたたち とっても素敵な家族ね」と言われた3人は、想定外の言葉に驚いていたようだった。3人とも、まだ自分たちが「家族」であるという実感を持てていないからだろう。孤独の中で生きてきた3人にとって、自分を信頼し、支えてくれる「家族」の存在はあたたかくて心地いいものとして映っているはずだ。

 スパイ「黄昏」として単独で活動していたロイドは、自分の判断だけでものごとが決められなくなる「家族」の存在は不安要素でしかなかった。だが、「家族」という他人から自分にない価値観を教わり、新しい発見を得られることは大いにある。「家族」と出会ったことで、人の温もりの心地よさに気づけたロイドは、価値観がより豊かになった。

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