『私たちのブルース』幸せを見つけた二人 傷を負った大人たちが“絆創膏を貼り合う”物語に

 続いてのエピソードは、海女1年目のイ・ヨンオク(ハン・ジミン)と船長パク・ジョンジュン(キム・ウビン)のカップル。ハン・ジミンはウニ役のイ・ジョンウと『まぶしくて ー私たちの輝く時間ー』で母娘役として共演したことがあり、息の合ったコンビネーションをすでに披露している。キム・ウビンは2016年に放送された『むやみに切なく』以来のドラマ出演となり、楽しみにしていた人も多いだろう。

 ヨンオクは気さくで明るい性格だが、謎も多く誤解を生んでしまう一面も。ジョンジュンを見つけると「ヘイ、船長」と笑顔で声をかけるくせに、好意を寄せられると「やめときな、傷つくよ」と言って一線を引く。基本的に誰とも深入りしないタイプのようだ。ヨンオクの人との距離感について共感できる部分もある。適当なことを言ってやり過ごすのは、その方が楽だからだ。相手との距離が近くなれば、ややこしい問題に巻き込まれ面倒になるのは誰もが経験済みだろう。傷つきたくなくて予防線を張ることもある。恐らく事情を抱えているヨンオクは、あえて本音を見せていないように思える。真面目で優しいジョンジュンが、ヨンオクの心を開いていくのだろうか。

 本作では、そこで暮らす人たちの息の詰まる生活も描かれている。誰も助けてくれない、苦しみをわかってくれない生活、下着の枚数や食器の数までわかるコミュニティの狭さ。憧れの都会や綺麗な海に囲まれる地方、どこにいても人々は息苦しさを感じているのだ。だからこそ、人との出会いや繋がりが必要なのだろう。一人ひとりが自分の幸せを見つけていくために。

■配信情報
『私たちのブルース』
Netflixにて独占配信中
(写真はtvN公式サイトより)

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