『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』安室さんはなぜ強い? 警察学校組の死がもたらすもの

 リアルサウンド映画部の編集スタッフが週替りでお届けする「週末映画館でこれ観よう!」。毎週末にオススメ映画・特集上映をご紹介。今週は、3つのTwitterアカウントを使いこなす“トリプルフェイス”花沢が『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』をプッシュします。

『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』

 劇場版『名探偵コナン』第25作にあたる本作の予告編が公開された時、私の脳裏に大きなはてなマークが浮かびました。

「あれ? 安室さん、今ロープなしでビルから飛び降りてなかった……?」

 “安室さん”とは、連載28周年を迎えた本シリーズの中では比較的新しく登場したキャラクター、安室透のことです。毛利小五郎の弟子として登場した彼は、本名を降谷零といい、正体は公安に所属する警察官。しかし、その素性を隠しながら「黒の組織」に潜入し、バーボンというコードネームで組織の内情を探っているという、“トリプルフェイス”を持つ男です。

 初登場時は、柔和な雰囲気の私立探偵を装っていた安室さんですが、例えるならホームズはホームズでもガイ・リッチー版。作中屈指の人間離れした身体能力を誇ります。

 映画に登場するのは、2018年の『名探偵コナン ゼロの執行人』以来ですが、その際も車のフロントガラスを素手で破壊。さらに、今作では3年前に取り逃がした因縁の相手と再び対峙することになり、予告編にもあった紐なし空中ダイブを披露します。

 なぜ、安室さんはここまで強いのか。その原点は、彼の警察学校時代に遡ります。

 警察学校時代の安室さんには、気の置けない4人の仲間がいました。安室さんに、松田陣平、伊達航、諸伏景光、萩原研二を足した“警察学校組”と呼ばれる5人組は、教官からは「クセ者揃い」と評される問題児。しかし、それぞれの得意とする能力がカチリと噛み合った際には、抜群のチームワークを見せていました。

 しかし、現在に至るまでに、安室さん以外のメンバーは全員死亡。最初に亡くなった萩原の殉職をきっかけに、彼らは毎年お墓参りをしていたわけですが、松田、諸伏、伊達……と彼らは一人ずつ弔われる側になり、アニメでも潜入捜査中の安室さんが、人目につかないようお墓参りをしている姿が描かれます。

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