小芝風花の愛すべき魅力は健在! 『妖怪シェアハウス』続編は今の社会に何を突きつける?

 しかし、角がなくなった澪は、前シリーズの第1話のときのような自信のない姿に逆戻りし、案の定、表向きはイケメン、しかし実はミソジニーの持ち主である男性に翻弄されてしまう。タイトルの「帰ってきたん怪」が、「帰ってきたんかい!」というツッコミになっていることからもわかるように、澪にツッコミも入れたくなるが、人は早々変われるものではないかもしれないし、澪という愛すべきキャラクターだからこそ、また応援したくもなる。

 そして、今回も妖怪シェアハウスの面々が魅力的である。酒呑童子(毎熊克哉)とぬらりひょん(大倉孝二)が、「女性の幸せは結婚」と言えば、お岩さん(松本まりか)も 座敷童子(池谷のぶえ)も「そういう男の決めつけがミソジニーだっていうのよ」「撤回しろ!」と黙っていない(もちろん、酒呑童子もぬらりひょんも、澪を思って助けるときには助ける気のいい妖怪であることは前提である)。

 妖怪話のアニメーションや、座敷童子の歌なども楽しかった前シリーズであったが、第1話では、ヴィランである河童の妖怪(小久保寿人)と酒呑童子が戦う場面が歌舞伎風のアクションになっていたりと、視覚的な面白さも増していた。

 楽しいキャラクターたちが戻ってきて、毎週、楽しみに見たいのはもちろんなのだが、フェミニズムは、年々、議題が変化している。2020年には、澪が抑圧から解放される姿に胸がすく思いであったが、もう一度、澪が元に戻ったところから始まるのであれば、なんらかの形で、その先の2022年の『妖怪シェアハウス』を見せてくれることを期待したい。

■放送情報
土曜ナイトドラマ『妖怪シェアハウス-帰ってきたん怪-』
テレビ朝日系にて、毎週土曜23:00〜23:30放送
出演:小芝風花、松本まりか、毎熊克哉、池谷のぶえ、大倉孝二、池田成志、豊田裕大、井頭愛海、尾碕真花
脚本:西荻弓絵、綿種アヤ(7話)
演出:豊島圭介、山本大輔
エグゼクティブプロデューサー:内山聖子
プロデューサー:飯田サヤカ、宮内貴子
制作:テレビ朝日
制作協力:角川大映スタジオ
(c)テレビ朝日

■公開情報
『妖怪シェアハウスー白馬の王子様じゃないん怪ー』
6月17日(金)全国公開
出演:小芝風花、松本まりか、毎熊克哉、池谷のぶえ、大倉孝二、井頭愛海、尾碕真花
脚本:西荻弓絵
監督:豊島圭介
エグゼクティブプロデューサー:内山聖子
プロデューサー:飯田サヤカ、遠藤英明、押切大機、宮内貴子
配給:東映

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