『アンビュランス』はリメイク映画ではない? マイケル・ベイ監督が明かす製作の裏側

「私は“大きな映画館で公開される映画”を撮る監督」

ーー『パール・ハーバー』も今回の『アンビュランス』もそうですが、あなたの作品の醍醐味の一つにやはり「爆破」があります。一言で「爆破」と言ってもさまざまなタイプのものがあると思いますが、爆破シーンにおいてのこだわりなどがあれば教えてください。

ベイ:爆破シーンについては、私は自分のレシピみたいなのを持っていて、あるフランスの雑誌に「マイケル・ベイの映画はまるでシーザーサラダを作るようなレシピがある」と言われたことがあります。自分はシーザーサラダとは思わないけれど、スパイスなどいろいろなものを混ぜ合わせるという意味では、爆破を上手く作る方法を知っています。他の映画では悪い爆発もよく見ますが、ちょうどバーテンダーが上手いカクテルをミックスするように、私はそのレシピを知っているんです。

ーー主演のジェイク・ギレンホールとは本作が初タッグとなりました。アート系の作品からスーパーヒーロー映画まで、幅広く活躍している彼の役者としての魅力はなんでしょう?

ベイ:ジェイクは本当に素敵な俳優で、仕事に熱心です。私はとにかくジェイクを“ムービースター”のように撮ると決めていました。銀行強盗という悪党の役ではあるけれど、ものすごく魅力的に。ジェイクは情熱的で、こういった混沌とした中でもユーモアを出せるところがある。感情を上手く表現できるから、好きにならずにはいられません!

ーー監督作としては、2019年のNetflix映画『6アンダーグラウンド』以来となりました。本作のように劇場で観ることを前提とした作品と、『6アンダーグラウンド』のような配信で観ることを前提とした作品で、演出や映像的な技術面で、何か意識的に変えることはありますか?

ベイ:映画というのは本来、配信で公開されるというのはあまり相応しくないと思っています。やっぱり、私は“大きな映画館で公開される映画”を撮る監督です。音も本格的なものを使いたい。この作品には、アカデミー賞を受賞しているサウンドミキサーも関わっています。本作は小さい規模の作品かもしれないけど、ドルビーアトモスのシステムを使用しているし、大きな表現ができるようにしています。映画館で公開される映画はフレーミングが配信と違います。やはり『アンビュランス』は映画館でぜひ観てほしいと思います!

■公開情報
『アンビュランス』
全国公開中
監督:マイケル・ベイ
脚本:クリス・フェダク
出演:ジェイク・ギレンホール、ヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世、エイザ・ゴンザレス
原作:デンマーク映画『25ミニッツ』(ラオリツ・モンク・ペターセン監督、ラース・アンドレアス・ペダーセン脚本)
製作:マイケル・ベイ、 ブラッドリー・J・フィッシャー、ジェームズ・ヴァンダービルト、ウィリアム・シェラック、イアン・ブライス
配給:東宝東和
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公式サイト:https://www.universalpictures.jp/micro/ambulance
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