新『ゴシップガール』の魅力を解剖 SNS社会で生きるティーンの新しい価値観と苦悩

時代にあった多様なキャラクター

 新『ゴシップガール』の舞台は、本家と変わらないアッパー・イースト・サイドの高校。一世風靡した当時、世界中から多くの人が訪れた“あの階段”も登場する。ティザー動画で、ジュリアンをはじめとする新『ゴシップガール』の学園トップたちが、階段に座り込む姿はオリジナル版のファンの心を踊らせるものがあった。

 ただし、キャスティングはオリジナルの時よりも、よりダイバーシティに富んでいる印象。そもそも今回の新ゴシップガールの学園の女王であり、インフルエンサー高校生・ジュリアンは、ボールドヘアがチャームポイント。演じたのは、カナダ出身のジョーダン・アレクサンダーである。

 また、その妹、ゾヤを演じたホイットニー・ピークはウガンダ出身。オリジナル版、放送時よりも俳優たちの出自はさまざまである。また、オリジナル版では当時、多くの人がステレオタイプとして持っていた“アメリカのセレブ高校生”が描かれている一方、新『ゴシップガール』では、それぞれの“正しい”と“イケてる”を貫くセレブ高校生たちが登場しているのも印象的。

 前作と同じく衣装デザインを担当したエリック・デイマンは、SNSで現役高校生たちを観察し、それぞれのキャラクターにあった衣装を考えたのだという。そのため、前作同様シャネルやヴィトンといったハイブランドの着こなしが見られるほか、ユニクロなども登場しており、それぞれの表現する“イケてる”に惹きつけられる印象だ。

 また、出生やファッションだけでなく、高校生たちや、その家族の恋愛の形もさまざま。約10年の時を経て、何事においても価値観が多様になったこと、それを受け入れる社会へと変化していることを実感させられた。

SNSの存在が与える影響力

 先に触れたように、本家が放送されていた当時よりもSNSが人々の生活に浸透した昨今。新『ゴシップガール』では、そんな今の時代を生きるティーンとSNSの関係がリアルに描かれているようにも感じた。

 特に、その影響が色濃く出ていたのがジュリアンだ。ジュリアンは、いわゆる高校生インフルエンサーであり、ハイブランドから提供されるカバンやアクセサリーを身につけて生活している。実質的な学園のトップであり、フォロワー数も多く、ジュリアンがSNSにアップしたものをマネして“ジュリアン買い”する子たちも登場するほどの存在だ。

 しかし、「ゴシップガール」の発信がきっかけで、ジュリアンの地位は瞬く間に落ちていく。ブランドからは「うちの商品を載せないで」と言われ、ファンの子たちからは「裏切り者」と手のひら返されるのだ。

 オリジナル版では「ゴシップガール」の発信がきっかけで、仲間内で揉めることが多かった一方、それだけでは済まないのがリブート版なのだ。

 また、ジュリアンの妹・ゾヤもSNS被害者の1人。彼女が転校してきた理由は、最低なことをした犯人かのように発信されるのだが、事実はゾヤをいじめていた子たちによって、彼女がそう見えるように仕向けた切り抜き動画だと判明するシーンがある。

 誰もが気軽にSNSを発信できるがゆえに、事実を見分けることが難しくなった現代。SNSによりチャンスを掴むこともできる一方、事実じゃないことで心を病む状況に追い込まれるまでも一瞬だということを改めて考えさせられた。

 今の時代を生きるティーンたちをリアルに描いた同作。アメリカでは公開直後の週末、HBOMaxのオリジナルシリーズとしては最多視聴回数を記録。その注目度の高さからシーズン1の途中に「すでにシーズン2の制作が正式決定した」とのニュースが報道された(配信時期、日本での配信の有無は未定)。

 シーズン1では、ジュリアン、そしてゴシップガールがそれぞれの決断をして終了。ある意味、宣戦布告的とも捉えられるラストシーンが、シーズン2以降にどう影響するのか、今から楽しみだ。

■配信情報
『ゴシップガール』(全12話)
U-NEXTにて、見放題で独占配信中
製作総指揮:ジョシュア・サフラン、ジョシュ・シュワルツ、ステファニー・サヴェージ、レスリー・モーゲンスタイン
衣装:エリック・デイマン
出演:ジョーダン・アレクサンダー、ホイットニー・ピーク、イーライ・ブラウン、トーマス・ドハティ、タヴィ・ゲヴィンソン、エミリー・アリン・リンド、エヴァン・モック、ザイオン・モレノ、サヴァンナ・リー・スミス、クリスティン・ベル
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