なぜ、瀬能は新名を信じることができたのか？　瀬能が新名に会って、まっさきに口をついて出たのは「海上保安官になるという夢を与えてくれたのは隊長です」という言葉。それは上書きされた真実ではなく、瀬能自身が抱いた願望だった。クラスで一番になれたと嬉しそうに話す幼い瀬能に、新名は「お前はもともと泳げたんだ。少しの間だけ水を怖がっていたお前を、おじさんは元通りにしただけだ」と返す。

　瀬能を信頼し、対等な人間として接する新名の態度は最初から一貫していた。DCUで瀬能と組むことになってから、自分への疑惑についてあえて言い訳せず、突き放すような態度を取ってきたのは、瀬能の意思を尊重すると同時に、きっと瀬能なら真実に到達すると信じていたからだ。新名がトラウマに苦しむ瀬能を守ってきたことを私たちは知っている。瀬能を土壇場で踏みとどまらせ、混濁する記憶から引き上げたのは水の中で築かれた信頼だった。

　国際テロ組織「ブラックバタフライ」の一員である成合。15年前の事件も、完成版のデータを陽一から奪おうとして成合たちが引き起こした可能性が高い。データを奪うように指示した人間は今も東都重工内に息を潜めている。元恋人の生存を知ってしまった真子に新名はどんな言葉をかけるのか。あまりにも多くのものを背負ったDCU隊長の新名は、真実をたぐり寄せることができるのだろうか。

■放送情報
日曜劇場『DCU』
TBS系にて、毎週日曜21:00〜放送
出演：阿部寛、横浜流星、中村アン、山崎育三郎、趣里、高橋光臣、岡崎体育、有輝（土佐兄弟）、高橋颯（WATWING）、佃典彦、春風亭昇太、市川実日子、吉川晃司
プロデューサー：伊與田英徳、関川友理
制作：TBSテレビ
共同制作：ケシェット・インターナショナル、ファセット4メディア
協力：海上保安庁
製作著作：TBS
(c)TBS
公式サイト：https://www.tbs.co.jp/DCU_japan/
公式Twitter： @DCU_japan