降谷零のルーツを辿る『名探偵コナン 警察学校編』 映画公開に向けてキーパーソンを復習
3月12日、警察学校時代の仲間たちの絆を描いたスピンオフ『名探偵コナン 警察学校編』のアニメ第2弾“CASE.伊達航”が放送される。
第1段となる「CASE.松田陣平」は昨年12月に放送され、好評を博しており、伊達編にも期待が集まっている。
ヒーロー性を兼ね備えた5人のキャラクター
警察学校編は、人気キャラクターである降谷零のほか、松田陣平、伊達航、諸伏景光、萩原研二の出会いと成長を描いている。
今の降谷のベースを築くこととなっている物語であり、ファンにとっても重要度は高い。そして彼の同期たちのキャラクターの濃さたるや。それぞれが別々の物語で主人公に足るキャラクターを持っている。
高い技術力と専門知識を持っている松田。小さい頃から機械を分解するクセがついているため、専門性を持っている。無邪気さと、自分が正しいと思ったことに突き進んでいく真っすぐさが魅力のひとつだ。入学当初、降谷と衝突していた立ち位置もイイ。
リーダーシップがある伊達は冷静さとユーモアを兼ね備えた“大人”なキャラクターだ。正義感が強く、一番柔軟性が高い。グループや組織の中にいると調整役であったり、人間関係のクッション役になるタイプだ。警察学校編でも、伊達がいるから話がスムーズに進んでいるという点は多いように思う。
15年前に両親を殺されたという過去を持つ諸伏。警察に入ったのは両親を殺した犯人を捕まえたいから。ある種、復讐心に囚われているように見えるが、ひとつのトラウマを仲間と共に乗り越える姿は胸を熱くさせるものがある。
女性にモテるポジションとして描かれているのが萩原だ。軽くてお調子者ゆえ……のように見えるが、人当たりがよく、洞察力が優れている。甘いルックスも要因だろうが、自身の能力を活かし、気分良く時間を過ごさせるのがうまい。伊達が内の調整役とすれば、萩原は外との調整役と言えるかもしれない。
絶妙な5人の関係性
キャラクターもさまざまながら、警察官を志した理由もさまざまだ。諸伏のように、ある種の野望から警察官になろうと思った者から、萩原のように、「倒産しないから」という理由で警察を志望したケースもある。
それを否定することなく、5人は互いの利点を生かしながら問題に取り組んでいく。全員の能力が高いのはもちろんのことだが、5人が揃うと能力値のバランスがよくなり、まだ半人前だった警察学校時代では、5人揃ってこそ力を発揮できる、という部分があったのかもしれない。
警察学校という特殊な空間の中で作られた関係性は、人生の中で大きな財産となる。卒業後、それぞれ違う部署で働くようになっても、同期の仲間として心の支えになっていたはずだ。