『津田梅子』広瀬すず、ディーン・フジオカら適材適所の配役 令和の今も響く梅子の信念
筆者が『津田梅子』を観ていてもう一つ想起した作品は、大河ドラマ『青天を衝け』(NHK総合)だった。渋沢栄一が新10000円札の顔に選ばれていることはもちろん、渋沢もまた万博使節団に随行し、パリで考え方を大きく変える人生の転機を迎えている。また、明治という時代性においても、「北海道開拓使」「伊藤博文」「鹿鳴館」「バザー」「コレラ」といった『青天を衝け』視聴者にとっては馴染み深いワードが多く登場してることも特徴だ。中でも、ディーン・フジオカは『青天を衝け』(さらにはNHK連続テレビ小説『あさが来た』でも)にて、五代友厚を演じていた点で、この明治時代を描く上で必要不可欠な俳優になってきている印象がある。「東の渋沢、西の五代」と称された五代は、ライバルであり時には盟友として渋沢に多大な影響を与えたが、先述したように森もまた梅子の人生を大きく動かすアドバイスを送っていた。
そして、何より『エアガール』『青天を衝け』『津田梅子』に共通しているのは、女性、男性を問わず観るものの背中を押す主人公の力強い生き方だ。自分の頭で考え自分自身で選択する力、当たり前や常識にとらわれない心、自分の人生は自分自身でしか決められないという梅子の考え方は、令和の現代でも普遍的に多くの人の心に響き続けるはずだ。
■配信情報
『津田梅子 ~お札になった留学生~』
TELASAにて配信中
出演:広瀬すず、池田エライザ、佐久間由衣、宮澤エマ、平岩紙、井之脇海、ディーン・フジオカ、田中圭、内田有紀、伊藤英明、原田美枝子
脚本:橋部敦子
監督:藤田明二(テレビ朝日)
音楽:葉加瀬太郎
エグゼクティブプロデューサー:内山聖子(テレビ朝日)
プロデューサー:神田エミイ亜希子(テレビ朝日)、中込卓也(テレビ朝日)
山形亮介(角川大映スタジオ)
制作著作:テレビ朝日
制作協力:角川大映スタジオ
(c)テレビ朝日