本郷奏多「寂しいだろ、ばか」の破壊力 『カムカム』ひなたと五十嵐の気持ちが通じ合う

 『カムカムエヴリバディ』(NHK総合)第85話では、ラストに五十嵐(本郷奏多)がひなた(川栄李奈)をハグ! 『あさイチ』(NHK総合)の朝ドラ受けでも博多華丸が「昨日見逃したっけ?」と困惑する急展開かつ大胆な行動である。

 五十嵐は『妖術七変化!隠れ里の決闘』のオーディションには落ちてしまったものの、モモケン(尾上菊之助)からの計らいで映画への出演が決まった。「伊織」という初めての役名付きだ。五十嵐は虚無蔵(松重豊)のもとで稽古に励む。一方で、ひなたも新しいステージ企画『京都茶道家殺人事件』にすみれ(安達祐実)が出演することを受けて、その茶道指導のサポートをすることに。休憩所でしょっちゅうすれ違っていた2人は、にわかに忙しくなってきていた。

 ここからひなたと五十嵐の会えない日々が続くことになる。この恋のトリガーとなるのが、ひなたが何気なく五十嵐と交わしていた「仕事終わったら道場行くわ」という一言である。台本を夢中で捲る五十嵐にひなたは読み合わせを手伝うと約束していたのだ。しかし、ひなたはすみれのサポートに加えて、業務部としての会報作りと自身の仕事に手一杯になりなかなか道場には行けず。「ハハッ、いいよ」「来るなって」といつものように、ひなたをあしらっていた五十嵐はというと虚無蔵との稽古に集中できなくなるほどに、ひなたのことが気になる存在となっていた。道場に向かってくる足音に期待し振り向くが、ひなたではないと分かりため息をつく五十嵐がピュアで可愛い。

 「はい。また」と別れを告げたひなたも、すぐに五十嵐と会えると思っていた。自分から言いだしてしまった手前、やはり道場の様子が気になる。一子(市川実日子)が説くお茶に大切な一つ「相手のことを思いやる気持ち」の言葉に泣き出してしまうほどに、ひなたにとっても五十嵐の存在が大きくなっていた。

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