今はなき場所に思いを馳せる人へ 『GAGARINE/ガガーリン』に詰まった夢
本作は、監督たちによる短編の脚本を土台に、住民と物語を発展させ作っていったそう。カメラを持って何年もかけ、思い出を記録に残した監督たちは「団地での最初の思い出を聞いてまわったんだ。みんなのやりたいことや、今後の計画を聞いてすごくわくわくした」と、住人との交流について話します。移民や、幼い頃から団地で育った子など、いろんな背景を持つ人々に聞いた、将来の夢、そしてこれからの話から生まれたユーリというキャラクター。今はなきガガーリン団地は、ユーリとこの映画を通して、色褪せず世界中の人々に伝わっていきます。誰かにとって、無くなってしまった場所はあっても、その時、その場所で過ごした事実は、消えることはない。ガガーリン団地に花を供え、お別れをする人々の姿からは、この場所でそれぞれの人々が過ごしたかけがえのない時間が、これからもその人の中で愛おしく残っていくのものなのだろうなと感じました。
「アメリカに行きたい」「自由で自分らしく入れる国だから」と想いを語るディアナに「夢はある?」と問われ、何も言わなかったユーリ。彼が本当に描いた壮大で素敵な夢をぜひスクリーンで見届けてください。
・参考
『GAGARINE/ガガーリン』プレス資料
■公開情報
『GAGARINE/ガガーリン』
新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか公開中
監督:ファニー・リアタール&ジェレミー・トルイユ
出演:アルセニ・バティリ、リナ・クードリ、ジャミル・マクレイヴン、ドニ・ラヴァンほか
配給:ツイン
2020/フランス/95分/カラー/シネスコ/5.1ch/フランス語/原題:Gagarine/映倫G
(c)2020 Haut et Court – France 3 CINEMA
公式サイト:gagarine-japan.com