『となりのチカラ』で松本潤と3度目の共演の松嶋菜々子 “人知れず泣く”泣きの名演に期待

 「隣人全員、何か変。」というキャッチ通り、主人公のチカラ(松本潤)を筆頭にどこか風変わりで、悩みや秘密を抱えた隣人たちが次々登場する『となりのチカラ』(テレビ朝日系)。

 第4話は、チカラたち中越家のお隣の部屋に住む、松嶋菜々子演じる道尾頼子役にスポットが当たる。主演の松本と松嶋は本作で3回目の共演となる。共演1作目は『花より男子』(TBS系、以後『花男』)での姉弟関係。松本のハマり役ぶりが光った道明寺司役だったが、松嶋はその姉の椿を好演した。道明寺財閥の跡取り息子で、わがまま放題で喧嘩っ早く自己中心的な俺様タイプの道明寺。周囲はなかなか突っ込んで意見できないが、そんな彼に手厳しく的確な意見を言えるのが姉・椿の存在だ。道明寺に対して頭ごなしに説教したりすることなく、サラりと彼を手懐けてしまえるユーモアも光る素敵な女性だ。道明寺も不思議なことにそんな姉には逆らえず、一目置いているようなところがあった。

 共演2作目も同じく松本主演の『ラッキーセブン』(フジテレビ系)。ここでは主人公・時多駿太郎(松本潤)が働くことになるラッキー探偵社の社長を務めていたのが松嶋演じる藤崎瞳子だった。社員である探偵たちを程よく放任しながら見守りつつ、要所要所で言動を正したり、道筋を示すキーパーソンだ。松嶋が演じる役の多くが、周囲を気持ちよく“転がす”。周りの者はそうとは気が付かず、うまく転がされ、知らず知らずのうちに彼女の意図する方向に進む。

 松嶋主演の名作『やまとなでしこ』(フジテレビ系)での神野桜子も、ハイスペック男子を手玉に取り合コンの女王として名を馳せる。多くの男に見せる一瞬の隙もない完全無敵な桜子ももちろん素敵だが、運命の相手となる中原欧介(堤真一)の前でだけ見られる自身の(見せかけの)願望丸出しの計算なしの無防備な桜子もまたたまらなく魅力的だった。完全無欠の存在が、本当に大切な存在の前でだけ実のところ素直になり切れず、強がり傍若無人に振る舞ってしまうさまも愛おしい。思えば、この桜子の性質は『花男』の道明寺ともどこか通ずる部分があるかもしれない。

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