三浦透子、新川優愛、徳永ゆうき 『カムカム』川栄李奈とバトンを引き継いだ幼なじみ俳優

笑顔とおしとやかさが変わらない、新川優愛演じる小夜子

 小学4年生の小夜子を演じた竹野谷咲の演技で印象に残っているのは、おしとやかだが口角をしっかり上げた笑顔と、ひなたと一恵といることで自分の知らない世界が広がることにワクワクしている表情だ。「ひなちゃんがそんなに夢中になるスターさんに会うてみたい」と言った時の目のきらめきは心に留まった。

 成長した小夜子を演じる新川の笑顔は竹野谷の笑顔を彷彿とさせ、またその柔和な雰囲気に心惹かれる。勉強を教えてほしいとやってきた桃太郎(野崎春)を優しく受け入れ、面倒を見る姿はやさしいお姉さんといった感じで、人知れず小夜子に恋心を抱く桃太郎にとって憧れの存在であることが瞬時に理解できる。

 加えて、小夜子の育ちの良さが新川の振る舞いから随所に感じられる。ひなたの家に遊びにやってきた小夜子の所作は落ち着いていて、その佇まいはとても上品だった。第72回のひなたと一恵と小夜子がお弁当を食べるシーンでも、小夜子は一人背筋を伸ばして食事をしており、食べながら話すことはしない。そして聞く時も話す時も、必ず相手の方に顔を向けていた。ちょっとしたしぐさも小夜子らしくなるよう、新川がその佇まいから工夫しているのを感じる。

ガキ大将からグッと大人びた印象の徳永ゆうき演じる吉之丞

 かつての吉之丞はこ憎たらしいガキ大将だった。石坂大志は自分の感情に素直な吉之丞を、素直な表情で体現していた。例えば、吉之丞がひなたをからかうシーンでは、からかうことに全力といった様子でとても楽しそうで、ひなたと空き瓶を取り合うシーンではライバル心をむき出しにしていた。

 そんなやんちゃな少年そのものだった吉之丞は、高校3年生になり、父・吉右衛門(堀部圭亮)から店番を任されるまでに成長した。徳永演じる吉之丞の口調、ウォークマンを眺めるひなたをしらっとした目で見るさまは、これまた父親そっくりである。だが、ひなたの反応に対して「張り合いないなあ」と言ったあたり、ひなたと言い争う仲は変わっていないことがうかがえた。グッと大人びた吉之丞だが、石坂と新津が見せたような吉之丞とひなたのやんちゃな言い争いを徳永と川栄も見せるのだとしたら、どうなるのか期待が高まる。徳永演じる吉之丞のやや辛辣な言動が頭に浮かぶ。面白くなりそうだ。

 ひなた編はまだまだ始まったばかり。ひなたと同級生たちに今後どのような展開が待ち受けるのか、ワクワクする。

※野崎春の「崎」は「たつさき」が正式表記。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
※土曜は1週間を振り返り
出演:上白石萌音、深津絵里、川栄李奈ほか
脚本:藤本有紀
制作統括:堀之内礼二郎、櫻井賢
音楽:金子隆博
主題歌:AI「アルデバラン」
プロデューサー:葛西勇也・橋本果奈
演出:安達もじり、橋爪紳一朗、松岡一史、深川貴志、松岡一史、二見大輔、泉並敬眞ほか 
写真提供=NHK

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