『カムカムエヴリバディ』ひなたの英語学習に注目 るいが過去に負った心の傷を浄化する?

 近年の朝ドラでは、母の思いもよらない“女性“としての姿を見てしまった娘が、母をシャットアウトし、トラウマを抱えたまま生きていくというような設定はなかったように思う。もちろんそれはるいの誤解であったし、安子とロバートはプラトニックな関係であり、安子にとってはるいが何よりも大切で、るいのそばを離れられないとロバートに告げたこともるいは知らない。

 あまりにも衝撃的な脚本であり、これが早く解決してほしいと願わずにはいられない。そしてあれほどるいが大事だった安子が、20年以上も音信不通であるとは考えにくいし、るいの叔父である勇(村上虹郎)を通して、安子はるいの様子を知ろうとするのではないだろうか。外国人のビリーの登場はロバートを連想させ、もうそろそろずっと気になっている問題の解決、つまり「安子とるいの仲直り」が見たくてたまらない!

 そんな中、ひなたはどんどん大きくなり、成長したひなたを演じる川栄李奈もまもなく登場となる。ラジオ英語講座がカギとなる物語が復活したのは嬉しいし、るいも錠一郎がひなたの前で英語で会話する姿をたくさん見たい。ひなたの英語力もぐんぐん伸びてほしいし、安子編の時のように、英語が今後の『カムカムエヴリバディ』にとって、どのように重要なポイントとなるのか大いに気になる。

 願わくば一刻も早く、るいと安子が再会して、るいの心に刺さった棘が抜けて、完全に誤解が解けるのを見たいと思う。るいは錠一郎に愛されたことで、“安子だけに愛された幸せを失ったこと”から解放されたのだし、ひなたと、生まれてくる息子を持つことで愛に溢れた家庭を築けた。安子がその事実を知るところを見るまでは、『カムカムエヴリバディ』から片時も目が離せない。過去の衝撃的な脚本の展開が少しでも早く回収されることを願いつつ、ひなたの英語学習によって、るいのトラウマが完全に浄化されるのを祈るばかりだ。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
※土曜は1週間を振り返り
出演:上白石萌音、深津絵里、川栄李奈ほか
脚本:藤本有紀
制作統括:堀之内礼二郎、櫻井賢
音楽:金子隆博
主題歌:AI「アルデバラン」
プロデューサー:葛西勇也・橋本果奈
演出:安達もじり、橋爪紳一朗、松岡一史、深川貴志、松岡一史、二見大輔、泉並敬眞ほか 
写真提供=NHK

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