『妻、小学生になる。』で吸収力の高いパフォーマンス 毎田暖乃、10歳ながら頼れる存在に

 さて、毎田の堂々に入った演技といえば、やはり朝ドラ『おちょやん』(NHK総合)でヒロインの幼少期を演じていたことが記憶に新しい。“幼少期役”というと、演じるキャラクターや描かれるエピソードによっては、あまり印象に残らないものだろう。しかし毎田の演じた千代の場合、その印象は強烈だった。ダメおやじを演じるトータス松本を相手取り、エネルギッシュかつパワフルなセリフを繰り出すさまには、彼女が正ヒロインではないものの思わずその姿に釘付けにされたものである。やがて正ヒロインの杉咲花に物語のバトンをパスしてからも回想シーンでたびたび登場したというのもあるが、杉咲演じる千代との“強固な一貫性”が感じられたものだ。これらのことに、毎田演じる幼少期の千代の凄みのようなものが浮き彫りになっていたと思う。さらには物語の終盤には千代の姪である春子役で再登場。視聴者の胸を熱くさせるとともに、幼少期の千代との“演じ分け”で驚きを与えた。そのちょうど一年前には朝ドラ『スカーレット』(NHK総合)にも出演していたとあって、いずれ彼女が朝ドラにて正ヒロインを演じる姿にも期待してしまう。いまだかつて見たことのない、たくましいヒロイン像を作り上げるはずである。


 とはいえ、まずは放送中の『妻、小学生になる。』だ。本作はまだ始まったばかり。これからは“小学生に生まれ変わった新島貴恵”としてだけでなく、母親(吉田羊)や同級生たちに囲まれた、“いち小学生である白石万理華”にもフォーカスしていくことになるのだろう。“見た目は子どもだが中身は大人の小学生が、子どもを演じる”ーーという、何とも複雑な役どころ。これを10歳ながらも頼れる俳優となりつつある毎田暖乃は、どのように演じて魅せるだろうか。

■放送情報
金曜ドラマ『妻、小学生になる。』(c)TBS
TBS系にて、毎週金曜22:00~22:54
出演:堤真一、石田ゆり子、蒔田彩珠、森田望智、毎田暖乃、柳家喬太郎、飯塚悟志(東京03)、馬場徹、田中俊介、水谷果穂、小椋梨央、當真あみ、杉野遥亮、神木隆之介、吉田羊
原作:村田椰融『妻、小学生になる。』(芳文社『週刊漫画 TIMES』連載中)
脚本:大島里美
プロデュース: 中井芳彦、益田千愛
演出:坪井敏雄、山本剛義、大内舞子、加藤尚樹
製作著作:TBS
(c)TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/tsuma_sho_tbs/
公式Twitter:@tsumasho_TBS

 

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