『進撃の巨人』グリシャ役・土田大が見せた豊かな感情表現 エレンの持つ真の力が明らかに
座標へとたどり着いたエレン・イェーガーとジーク・イェーガー。そこでエレンは始祖の巨人の力の持ち主がジークであることを知った。TVアニメ『進撃の巨人 The Final Season Part 2』の第79話では、「進撃の巨人」の有する真実の力が明らかになった。
ジークによって、父親であるグリシャ・イェーガーの過去の記憶を見せられるエレン。ジークの目的は、エレンをグリシャの洗脳から解放することだった。そこではグリシャの悪行を見せることで、エレンを解放するというジークの思惑だったはずだが、そこにあったのはエレンにたっぷり愛情を注ぐグリシャの姿。親の愛情に触れることなく育てられたジークは、異母兄弟であるエレンも自分と同じ哀れな子どもだと思っていたが、そうではなかった。次第にジークの心情にも変化が表れ始める。
始祖の力を使ってどうするつもりだったのかというジークの問いに対し、エレンは「生まれた時から俺のままである」と答え、「あんたが望んだ哀れな男はここにいない」とジークを鋭く突き放すのだった。エレンのその目には何が映っているのだろうか。
グリシャの記憶をたどってきた2人は、ついに物語の分岐点へと差し掛かる。家族に診療と嘘をついて始祖の巨人の継承者であるレイス家の元へと向かったグリシャは、「巨人を殺してほしい」と説得を試みる。それも全て家族や罪なき人々を思ってのこと。だが、フリーダ・レイスは裁きの時がきたのだとグリシャの要求を拒否するのだった。
ここでグリシャは進撃の巨人が「未来の継承者の記憶」を覗き見ることができる、いわゆる「記憶共有」の能力を有するということをフリーダへと明かす。グリシャは始祖を喰らい王家の血を根絶しようとするが、できない。それもそのはず、グリシャは医者であり、患者を救うということが使命なのだから。そうであるならば、グリシャが王家を虐殺したという過去は嘘だったのだろうか。
「これは父さんが始めた物語だろ」
医者としての良心に苛まれるグリシャのもとに近づきささやくエレン。グリシャに対し王家を虐殺するように仕向けたのは彼だったのだ。第79話のクライマックスともいえるシーンだが、ここでエレンの進撃の巨人の特性によって、グリシャはエレンの思うままにコントロールされていた。つまり、グリシャがレイス家を虐殺した過去の行動は、未来のエレンによって仕向けられた必然だった。