『愛しい嘘』林遣都は本当に“雨宮秀一”? 疑いが晴れるほど怪しさ増す

 全てのピースが揃ったと思われたが、秀一は自分にかけられた疑いを晴らすために望緒をある場所へ連れて行く。そこは若年性アルツハイマーを患う秀一の母親が暮らしている山梨の施設。普段から秀一は母親を心配して頻繁に施設へ通っており、奈々江の死亡推定時刻も望緒が車に轢かれそうになった時も訪問中だったことが記録としてちゃんと残っていた。また噂の真相も実は逆で、秀一の方が母親の面倒は見られないという理由で恋人にフラれたという。

 愛してるという言葉をかけていたのも母親であり、そんな優しい秀一を一瞬でも疑ってしまったことを後悔する望緒。それでも秀一は少しも望緒を責めることなく、変わらぬ笑顔を向けてくれた。そして、中学の思い出を語り合う中で2人は良い雰囲気に。

 いよいよ“ラブ”サスペンスらしい展開になってきたが、何かがおかしい。初回の放送から怪しい空気を漂わせ、多くの視聴者から犯人の第一候補として挙げられていた秀一がこんなに早く全くのシロであるかのように描かれることに違和感がある。気になるのは「今井さんはずっと僕を見てたでしょ。僕もずっと今井さんを見てた」という秀一の言葉。中学時代、望緒はいつも後ろの席から秀一の姿をスケッチしており、タイムカプセルから掘り起こされた日記に描かれている正面から見た秀一の似顔絵にも「想像では……」とメモ書きされている。つまりあの頃、望緒は秀一の顔をちゃんと真正面から見ていなかったということ。もし秀一が望緒を本当に見ていたのであれば、望緒も気づいているはずなのだ。

 ここで、この“雨宮秀一”を名乗る男が実は別の誰かである可能性が浮かび上がってくる。その人物として考えられるのが、タイムカプセルに「みんな忘れないよ」というメッセージを残した“中野幸”。彼の席は望緒よりも後ろだったため、望緒が秀一をずっと見ていたということを知っていてもおかしくはない。なぜか6人の中で望緒だけが幸のことをよく覚えていないというのも引っかかる。どこかで彼女の中に残る秀一と幸に関する記憶が混在している気がしてならない。また「中野くんが私たちに復讐している」と優美が口にした時も、動揺した玲子と稜に対して望緒と秀一の2人は全く心当たりがなさそうだった。この両者を隔てる真実が事件の全貌を明らかにする鍵となりそうだ。

■放送情報
『愛しい嘘~優しい闇~』
テレビ朝日系にて、毎週金曜23:15〜0:15放送
出演:波瑠、林遣都、溝端淳平、本仮屋ユイカ、黒川智花、松村沙友理、新川優愛、徳重聡
原作:愛本みずほ『愛しい噓 優しい闇』
脚本:丑尾健太郎ほか
プロデューサー :大江達樹(テレビ朝日)、中込卓也(テレビ朝日)、山本喜彦(MMJ)、小路美智子(MMJ)
演出:樹下直美ほか
音楽:横山克
制作:テレビ朝日
(c)テレビ朝日

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