『逃亡医F』成田凌×森七菜のバディ成立? 見えてきたキャラクターそれぞれの背景

 “親友”になった拓郎(松岡昌宏)と、刑事・筋川(和田聰宏)のコミカルな会話から始まった『逃亡医F』(日本テレビ系)第2話。藤木(成田凌)と妙子(桜庭ななみ)の仲睦まじい回想シーンも含め、キャラクターに血が通い始めた感覚を覚える。筋川とのやりとりのなかで、妙子の骨壺にポンと軽く触れ、優しく語りかける拓郎。烏丸(前田敦子)への聞き込みでは、しゃがみ込んで「妙子に会いてえ」と泣いた。それほど愛していた妹が不審な死を遂げ、犯人が逃亡したとなれば、血眼になってどこまでも追いかける気持ちは分かる。そうしたキャラクターそれぞれの背景が、これから少しずつ明らかになっていくのだろう。

 藤木は、長野県の雪深い山中で滑落していたところを、喫茶すずらんの親切なマスター・香川(升毅)に救われる。そこへやってきたのは、病院を抜け出してきた美香子(森七菜)。自身の正体を知る美香子に対し藤木は、本当はかに座ではなくしし座であることまで丁寧に訂正。そんな、嘘が下手な逃亡者の「お手伝いをしたい」と言う美香子に、自分の目的地には「人を殺せる人間が待っている」のだと、藤木は距離を置こうとする。

 すぐに発つ予定だった藤木だが、「すずらん」が預かっている登山客の荷物に「都波」の名前を発見。都波(酒向芳)は、妙子の死の直前、ともに出張に行く予定だった人物だ。さらに、第1話にもあった妙子の言葉ーーもしも私に何かあったら、誰も信用しないでーーそのあとには「都波さんと会わせて」と続いていた。「会わせて」という表現に若干の違和感はあるのだが、とにかく藤木は、都波を探していた。

 藤木を怪しむ、現地テレビ局の松田(林泰文)と島崎(馬場ふみか)。そんな折、藤木が松田の息子・健太(白髭善)の体調を気にかけ、「お医者さん」だとこっそり明かしたことをきっかけに、松田は藤木の正体を確信する。

 上機嫌な父の姿に「僕、いまパパの役に立った?」と訊ねる健太。「役に立ったぞ!」という父の顔を見て、嬉しそうな表情を浮かべる。これまで健太が、病気ゆえに両親に感じてきた負い目(感じることなどないのだが)を思うと、切ないシーンだった。「役に立つ」など、子どもが考えなくとも良いことなのだ。

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