『シチリアを征服したクマ王国の物語』ロレンツォ・マトッティ監督のインタビュー映像公開
1月14日公開のフランス・イタリア合作アニメーション映画『シチリアを征服したクマ王国の物語』の監督を務めたロレンツォ・マトッティのインタビュー映像が公開された。
イタリアの作家ディーノ・ブッツァーティが唯一イラストも手がけた児童文学を映画化した本作は、クマ王国に住むクマたちの物語で、ある日クマの王レオンスの息子・トニオがハンターに誘拐され、話が展開していく。厳しい冬の飢えと寒さにたまりかねていた彼らは山を降りることに。残忍な大公や化け猫、人食い鬼、幽霊、魔法使い……行手を阻む難敵を乗り越え、人間の住む平地を目指す物語を通して、多様な文化の中で他者を受け入れることの大切さをテーマに描く。ヨーロッパのイラストレーターであるマトッティが自身初の長編アニメーション映画として映像化した。
マトッティ監督はヴェネチア大学で建築を学んだのちマンガの道を志す。『ザ・ニューヨーカー』『ル・モンド』『コスモポリタン』といった新聞・雑誌でイラストレーターとして活躍。1982年には『Le signor Spartaco』でバンデシネ作家としてデビュー。高い評価を得て、以降、絵本、アニメと活躍の場を広げる。ファッションとのつながりも深く、ルイ・ヴィトンが発行したトラベルブックコレクション・ベトナム編を担当している。フランス・イタリアを代表するアーティストの一人だ。カンヌ国際映画祭・ヴェネチア国際映画祭、直近では2021年10月にヴェネチアで開催された第11回カフォスカリ短編映画祭のポスターイラストを担当。アントニオーニの『エロスの誘惑』内に、彼の作品「NELL’ACQUA」がアニメーションとして挿入されている。第76回ヴェネチア国際映画祭ではオープニングムービーを手がけた。フェリーニやパゾリーニ、オーソン・ウェルズといった監督たちからの影響を公言している。
本作の日本公開に向けて、マトッティ監督は「“アニメーションの国”で自分の作品が上映されるという感動に加えて、今回の配給をとても嬉しく思っています」とコメント。コロナ禍でなければ来日したかった、というほどの親日家だ。
公開された映像では、マトッティ監督が原作とブッツァーティの魅力について語る。ブッツァーティから大きな影響を受けていると語るマトッティ監督。彼を魅了したのはブッツァーティの“謎めいた部分”。動画内では言っていないが、ユーモアに富んだ比喩を用いることで時間を超えて、幾世代もの人々へ語りかける力がこの原作にはあると語る。そのため、ヨーロッパでは半世紀以上にわたって読み継がれているロングセラーとなっているのだ。本作の劇中ではブッツァーティの原作の挿絵も登場する。
また、1月14日より新宿武蔵野館、アップリンク吉祥寺にて本作を2回観た人に非売品タブロイド版プレスがプレゼントされることも決定した。詳細は映画公式サイトにて。
■公開情報
『シチリアを征服したクマ王国の物語』
1月14日(金)より新宿武蔵野館、アップリンク吉祥寺にて公開
監督・グラフィックデザイン:ロレンツォ・マトッティ
脚本:トマ・ビデガン、ジャン=リュック・フロマンタル、ロレンツォ・マトッティ
日本語吹替版キャスト:柄本佑、伊藤沙莉、リリー・フランキー、加藤⻁ノ介、寺島惇太、堀内賢雄
制作プロダクション:プリマ・リネア・プロダクションズ、Pathe France 3 Cinema Indigo Film with Rai Cinema
アニメーション・スタジオ:3.0 studio
原作:ディーノ・ブッツァーティ『シチリアを征服したクマ王国の物語』(福音館書店刊)
提供:トムス・エンタテインメント、ミラクルヴォイス
配給:ミラクルヴォイス
後援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本
フランス・イタリア合作/2019年/カラー/82分/ビスタサイズ/5.1ch/フランス語/原題:LA FAMEUSE INVASION DES OURS EN SICILE/日本語字幕:井村千瑞
(c)2019 PRIMA LINEA PRODUCTIONS – PATHE FILMS – FRANCE 3 CINEMA – INDIGO FILM
公式サイト:kuma-kingdom.com
公式Twitter:@kuma_kingdomJPN