風間俊介、オダギリジョー、早乙女太一 『カムカム』るい編を盛り立てる男たち

 明るい音楽に華やかな衣装、世界が一変したかのような朗らかなミュージカルシーンでスタートしたNHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』大阪編。第8週の半ばをもって安子(上白石萌音)の物語は一区切りし、成長した娘・るい(深津絵里)がヒロインとして作品をリードする。新しい街には新しい出会いがつきもの。るいはこの街で3人の男性と出会った。そして、心惹かれたり、ちょっとビターな経験をしたり、その関係性も少しずつステップアップしているようだ。今回はそんなるいを取り巻く3人の男性を紹介したい。

誠実さが魅力の弁護士の卵 片桐春彦(風間俊介) 

 るいが働く竹村クリーニング店の客としてやってきた片桐は弁護士の卵だ。きっちりと着こなしたスーツ姿に、丁寧な文字、物腰も柔らかで、どこまでも誠実なところが魅力である。法律の知識で強面の客からるいを守るなど、弁護士としての頼もしさも見せてくれた。るいとは小説の趣味も合い、いつしか2人は惹かれあう間柄に。

 だが、初デートの時に偶然るいの額の傷を見てしまった片桐は動揺を隠せず複雑な表情を浮かべる。真面目な男だからこそ、驚きの感情がそのまま顔に出てしまったのだろうが、その表情はるいを傷付けることになってしまったのだ。結果として距離が縮まることはなかった2人だが、いつか片桐が再登場して弁護士という職業を生かし、もう一度るいを助ける日があっても面白いかもしれない。

放っておけない男No.1、粗忽な宇宙人 ジョー(オダギリジョー) 

 ジャズ喫茶「Night and Day」のお抱えバンド「大月錠一郎クインテット」のトランペッターのジョーは、竹村クリーニング店の客でもある。ある日、店を訪れたジョーは大量の衣類を粗雑に渡す。シャツにべっとりついたシミ、コツコツと指を鳴らす姿などが、るいの心にも強烈なインパクトを残すことに。素性の知れないジョーは、るいから影で「宇宙人」とあだ名をつけられていた。白い衣服にしょっちゅう食べ物をこぼし、クリーニングに出したシャツのポケットには大切なマウスピースを入れたまま、いい加減に煎れたインスタントコーヒーを「まずい、まずい」と言いながら飲み続けるような男だが、どこか放っておけない。

 「今あの人はいったいどうしているのだろうか?」と頭に浮かぶのはこういう男性かもしれない。るいの言葉を借りれば「変わった感性の人」、「粗忽な人」なのだが、それもまた裏を返せば、細かいことは気にならないおっとりとした人物とも言えよう。夏祭りで子供たちと遊ぶ姿からもそのおおらかさが感じられた。しかしジョーの魅力はそれだけではない。ひとたびトランペットを構えれば、その瞳は真剣そのもの。奏でる“特別”な「On the Sunny Side of the Street」は、るいの心を大きく揺さぶることになる。

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