『フレンチ・ディスパッチ』本編映像&新場面写真 ビル・マーレイ演じる編集長の日常が

 ウェス・アンダーソン監督最新作『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』の本編映像と新場面写真が公開された。

 『ダージリン急行』(2007年)、『ファンタスティック Mr.FOX』(2010年)、『グランド・ブダペスト・ホテル』(2014年)、『犬ヶ島』(2018年)を生み出したアンダーソン監督の記念すべき第10作目となる本作の舞台は、20世紀フランスの架空の街にある「フレンチ・ディスパッチ」誌の編集部。一癖も二癖もある才能豊かな記者たちが活躍し、国際問題からアート、ファッションから美食に至るまで深く斬り込んだ唯一無二の記事で人気を獲得している。ところが、編集長が仕事中に急死、遺言によって廃刊が決まってしまう。果たして、何が飛び出すか分からない追悼号にして最終号の、思いがけないほどおかしく、泣ける、その全貌とは。

『フレンチ・ディスパッチ』本編映像(No Crying編)

 公開されのは、ビル・マーレイ演じるフレンチ・ディスパッチ誌の編集長アーサー・ハウイッツァー・Jrの人柄がうかがえる、日常の会議の様子を切り取った本編映像(No Crying編)。

 編集長のデスクの前に、エリザベス・モス演じるコピー・エディターをはじめとする編集者らが集い、印刷の締め切り時間が迫る中、掲載枠に対し、溢れかえっている記者たちの記事を慌ただしく精査し、“誰を切るべきか”と会議を行うさまが切り取られている。「ベレンセンの原稿」、「懸垂分詞に分離不定詞にスペルミス」と、記者の名を挙げ、原稿に指摘をいれる編集者たち。しかし、アーサー・ハウイッツァー・Jr.編集長は「意図的なものもある」と庇い、その後挙がった記者たちもすべて優しくフォロー。しかし、枠が増えるわけもなく、編集長は判断を迫られてしまう。そんな中、スタッフの青年が現れ、印刷の締め切りを伝えるも、まさかの編集長からクビ宣言。部屋の壁のみならず、墓碑名にも“NO CRYING(泣かない)”と刻むほど、常に厳しい編集長であったアーサーだが、記者たちを何があってもクビにせんとする姿からは結局は人情家で温かく優しい人となりがうかがえる一方、名前の挙がった記者たちのクセのある個性も垣間見えるワンシーンとなっている。

 「ヒューストンの高校の1年生のとき、授業が始まる前のホームルームではいつも“ニューヨーカー”を読んでいました。既刊号も読みだし、繰り返し出てくる記者の名前を覚えていきました。本当にハマっていました」と明かすように、アメリカの雑誌“ニューヨーカー”の大ファンで、著名な記者たちからインスピレーションを受けながら、フレンチ・ディスパッチ編集部が舞台の本作を制作したというアンダーソン監督。「この映画では、書き言葉と人との関係性が様々な度合いで現れます。スクリーン上には字幕も出てきます。雑誌の文字面についても描きます。そして、今、失われかけている記者とのつながりの大切さや、読みやすい文体についても語っています。どのエピソードでも、ヒーローは記者なのです」と熱烈な想いも吐露している。

■公開情報
『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』
1月28日(金)全国公開
監督・脚本:ウェス・アンダーソン
出演:ベニチオ・デル・トロ、エイドリアン・ブロディ、ティルダ・スウィントン、レア・セドゥ、フランシス・マクドーマンド、ティモシー・シャラメ、リナ・クードリ、ジェフリー・ライト、マシュー・アマルリック、スティーブ・パーク、ビル・マーレイ、オーウェン・ウィルソン、クリストフ・ヴァルツ、エドワード・ノートン、ジェイソン・シュワルツマン、アンジェリカ・ヒューストンほか
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
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