松嶋菜々子の魅力は声にあり? “デキる上司”演じる『SUPER RICH』での絶大なオーラ
12月9日、江口のりこ主演ドラマ『SUPER RICH』(フジテレビ系)が、第2章の完結とも言える、第8話を迎える 。女性社長と貧乏学生からのまさかの結婚、苦楽をともにしてきた仲間のまさかの裏切り、公私共に支えてくれた親友のまさかの秘めた想い……回を重ねるごとにまさかまさかの連続で視聴者を惹き付けてきた本作。
様々な荒波にぶつかりながらも転覆することなく、絆を強めながら航海を続けるベンチャー企業「スリースターブックス」は、第7話で称されたように「実にいい船」だ。船長とも言える社長の氷河衛(江口のりこ)を筆頭に、個性豊かな船員たちも日に日にたくましく育ち、それぞれの居場所を築きながら働く姿は、人生の大事な時間とお金と労力をかけて人は何を築いていくべきかを考えさせられる。
そんな本作において「スリースターブックス」とは異なる場所から、存在感を光らせているのが島谷聡美を演じる松嶋菜々子だ。聡美は衛が新卒で入社した大手IT企業・MEDIA社の取締役で、衛を育てた元上司。衛が「スリースターブックス」を立ち上げたときにも、応援し背中を押した人物である。
第7話では、聡美が朝のワークアウトを日課としメンタルもフィジカルも万全に整えて仕事に取り組む姿勢が描かれる。そして車で移動中にも、アポイント相手の好みを踏まえたランチミーティング会場の手配。かと思えば、会社に到着した直後に顔を合わせることになっている空(町田啓太)の来客対応については「構わなくていいから」と的確な指示を出す。
物腰は柔らかいのに、スマートで無駄がない。そんな聡美は、直属の部下だった衛のみならず、いち視聴者として見ていても憧れの念を抱かずにはいられない。聡美が登場するだけで、ハッとさせられるオーラを感じるといっても過言ではない。
それは聡美というキャラクターを通じて、松嶋自身が持つ“品”がにじみ出ているからかもしれない。まずは、その所作の美しさ&凛々しさ。タブレット画面を眺める際、通常ならば首が前に出やすい場面だが、そこは車のシートに背筋がついたまま。車から降りてオフィスに向かうときにはパンツスーツのポケットに手を入れて颯爽と歩く。
どの角度から見られて(撮られて)いても隙のない立ち振舞いは、“デキる上司”という聡美をより際立たせる。そうした所作の部分は、意識するほどに不自然になってしまいがちだが、そこは俳優として長年活躍する中で培われてきたのだろう。