『ミラベルと魔法だらけの家』北米興収1位も数字的にはやや渋め? PTA新作は新記録を樹立
2021年11月25日(木曜日)は11月の第4木曜日、すなわち米国の祝日である感謝祭(Thanksgiving Day)だった。昨年はコロナ禍の影響で自粛ムードだったが、今年は2年ぶりにニューヨークでパレードが開催されるなどの盛況を見せている。アメリカの映画業界においても、感謝祭の週末は1年のうちで最も客入りが期待される数日間。ディズニーは2018年に『シュガー・ラッシュ:オンライン』、2019年に『アナと雪の女王2』を公開し、いずれも大ヒットを記録した。
そして2021年、ディズニーは感謝祭の週末を『ミラベルと魔法だらけの家』で飾った。めでたく北米興行収入ランキングのNo.1を射止めた本作は、11月24~28日の5日間で4030万ドルを記録。本作は劇場独占公開であり、コロナ禍以降のアニメーション作品としては過去最高の滑り出しとなった。日本を含む世界各国でもすでに劇場公開されており、世界興行収入は早くも7000万ドルを超える見通しだ。
ラティーノの家族を描いたミュージカル映画である『ミラベルと魔法だらけの家』では、原案・劇中曲を『イン・ザ・ハイツ』のリン=マニュエル・ミランダが担当。本国ではブロードウェイ・ミュージカル『ハミルトン』が社会現象的ヒットとなったこともあり、トップクラスのヒットメーカーとして知られるが、日本ではまだ知名度が追いついていない。ただし本作が公開されたタイミングで、ディズニープラスで配信されていた『ハミルトン』にもついに日本語字幕が付いた。ぜひ両作をあわせてチェックしておきたい(もちろん、ミランダの初監督作品『tick, tick... BOOM!:チック、チック…ブーン!』も)。
第3位には、リドリー・スコット監督最新作『ハウス・オブ・グッチ』が登場。レディー・ガガ、アダム・ドライバー、ジャレッド・レト、ジェレミー・アイアンズ、サルマ・ハエック、アル・パチーノという錚々たる顔ぶれが出演する本作は、11月24~28日の5日間で2180万ドルを記録した。しかしながらシリアスな実話犯罪ものであり、同じくリドリー・スコット作品で苦戦を強いられた『最後の決闘裁判』と共通する大人向けのドラマ作品とあって今後の推移には注目が集まるところ。現状、ドラマ映画としては過去2年間で最高の滑り出しを見せているが、ここからどうなるか。