【ネタバレあり】『ボイスII』“白塗り野郎”久遠の出生が判明 ついに樋口と直接対決へ
いよいよ最終章に突入した『ボイスII 110緊急指令室』(日本テレビ系)。第9話では、白塗り野郎こと久遠京介(安藤政信)の出生が明らかになった。
片桐(中川大輔)に銃口を向けられてなお、自身を構わず「撃て」と樋口(唐沢寿明)に命じた重藤(藤本隆弘)。さらには片桐の隙をつき捨て身で確保に動くが、もみ合っての発砲により足を負傷する。人質にとられてなお怯まぬ姿勢、警察官としての覚悟は、さすが捜査一課長にもなる男である。
現場へと駆け付けた樋口に、重藤がまず伝えたのは謝罪だった。自分が片桐の正体に気付けていれば、石川(増田貴久)が死ぬことはなかった、「俺は俺が許せない、情けない」と。重藤自身、義弟の命を久遠に弄ばれ、裏切りという形で部下を失った被害者だ。傷付いていないはずがないのに。
「戻ってくるんだ、必ず」、石川を失った樋口が言うからこそ、その言葉はずっしりと重い。「死ぬなよ」、重藤の言葉、樋口と交わす視線は、男同士の約束のように思えた。樋口と重藤、立場の違いから何度もいがみ合ってきたが、ともにまっすぐで情の深い男。「俺たちに出来ることは何だ」。今、思いは同じだろう。
ECUの捜査、そして久遠の母・由紀子の叔母である綾子(筒井真理子)の証言により、小野田(大河内浩)、そして遺体で発見された5人の男と久遠の関係が明らかになった。言い知れぬ苦痛を受けてもなお「生まれてくる命に罪はない」と久遠を産んだ母・由紀子。幸せだった時間もつかの間、生家を追われ、世間から後ろ指を指され、由紀子の心は壊れていった。久遠への愛情と、同時に湧き上がる憎悪。由紀子が抱えるアンビバレンツな感情は、虐待という形で久遠に向けられ、由紀子自身をも蝕んだ。
けれど、たっぷりの愛情を注がれた幼少期の記憶が失われることはない。心と身体を傷付けられようとも、母が悲しいのは、母が苦しいのは「自分のせい」だと虐待を受け入れていた久遠。そんな親子ふたりの生活は、由紀子の逮捕によって形を変えた。由紀子を逮捕した人物こそ、樋口である。