恋愛ドラマとしてアップデートされた『わかっていても』 最終回直前、衝撃的な展開に

周りの人間の恋愛関係の発展

 本心でのコミュニケーションが欠けてしまったが故に、拗れていく二人の関係。一方で、最終回に向けて同じようにこじれたものの、第9話でしっかりと素直な気持ちをさらけ合いだして落ち着いた周囲の登場人物たち。これまで真剣じゃない奔放な恋愛をしてきたオ・ビンナ(ヤン・ヘジ)は、別れを切り出されたナム・ギュヒョン(キム・ミンクィ)を諦めずにしっかりと気持ちを伝えて復縁した。彼らは言ってしまえばナビとジェオンの関係性の逆バージョンカップルみたいなもので、ナビ側の立場にあるギュヒョンがジェオンに恋愛相談をしたのも、ジェオンにいくつかの気づきを与えたものだ。

 天真爛漫で合コンに積極的に参加するソ・ジワン(ユン・ソア)も、徐々に幼なじみのユン・ソル(イ・ホジョン)への“親友以上の気持ち”に自覚を持ち始め、同性の子を好きになった経験がないので「好きだけど、どうしたらいいかわからない」と本音を隠さずにぶつけ始める。そうしたことで、からかわれていると勘違いしていたソルが彼女の気持ちに気づき、歩み寄って安心させてあげることができた。

 二組のカップルがプライドを捨て、怖くても自分の本心を素直に相手に伝えることでひと山もふた山も乗り越えた中、ナビとジェオンも第9話のラストで気持ちをぶつけ合う。しかし、このぶつけ方が良くなかった……。

最終回直前で起きた言い争い事件 関係修復は不可能?

 どんどん回を増すごとに、ドヒョクと過ごして楽しそうにするナビと、そんな彼女を遠目に見て孤独になっていくジェオンが描かれる。しかし、第9話では結局どんな過去を共有しているのかあまり明かされないまま退場したソラとのお別れのシーンでも、「空港まで送る」とか「渡米したら連絡する、また会おう」と言ってしまう。そんなふうにいつまでもナビ以外の女の子に気を持たせるようなことをするから、ソラにさえ完全に縁を切られて雨の中、ひとりぼっちで立ちすくんでしまうジェオン。そしてずぶ濡れのままナビの家まで待ち伏せして、自分勝手で彼女を傷つける物言いで気持ちをぶつかってしまうのだった。

 一方、ナビはドヒョクに告白され、ジェオンとの関係性を指摘される。ジェオンと対照的に、自分を大事にしてくれる存在。距離を置くつもりだったけど交際をちゃんと申し込んでくれたジェオンとの間で揺れていたナビは、そんなドヒョクに「もう待てない」と決断を迫られた。その帰り道、家の前で待っていたジェオンに心のない言葉を浴びせられる。ドヒョクが見ているのを確認して、わざとナビの家に入り込んだことを明かし「俺と寝てたくせに」と一方的に責めるジェオン。ようやくナビに付き合おうと言ったことも、「そうして欲しかったんだろ」とセフレの時と同じでナビの意思に責任を全て押し付ける。何より「ソラになんて言ったんだよ」と、彼女から関係を切られたことをナビのせいにし始める始末。これには完全に恋心も冷めてしまったナビは「二度と現れないで」と吐き捨て、家に入って一人で泣く。一方、言ってしまったことを取り消せないままジェオンは完全に彼女を失ってしまったことに気づき、幕を閉じた第9話。

 ジェオンがソラに別れ際に言われた「本気で好きなら冷静じゃいられない」という言葉を体現するかのように、怒涛の応酬を雨の中で繰り広げた二人の物語は最終回どんな結末を迎えるのだろう。

■配信情報
『わかっていても』
Netflixにて配信中
写真はJTBC公式サイトより

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