戸田恵梨香と永野芽郁は「より魂を吹き込んでくれている」 『ハコヅメ』脚本家が語る

 日本テレビ系にて毎週水曜22時より放送中の戸田恵梨香と永野芽郁のW主演ドラマ『ハコヅメ〜たたかう!交番女子〜』の脚本を手がける根本ノンジのインタビューが公開された。

 本作は、講談社『モーニング』で連載中の元警察官の著者・泰三子による漫画『ハコヅメ〜交番女子の逆襲〜』をドラマ化した“やけにリアルな交番エンターテインメント”。『監察医 朝顔』(フジテレビ系)の根本ノンジが脚本を担当し、戸田は元エース刑事・藤聖子を、永野は新米女性警察官・川合麻依をそれぞれ演じている。

 「警察ドラマであんなシーンないですよ、前代未聞だと思います」と、7月28日放送の
第4話での主人公ら女性警察官3人が署内の仮眠室で川の字になって眠る“添い寝シーン”について語る根本。『監察医 朝顔』(フジテレビ系)『フルーツ宅配便』(テレビ東京系)など原作のある作品も多く手がけてきた根本は、「今までいろんな原作をドラマ化してきたけど、一番難しい」「漫画であれ小説であれ、原作があるからドラマ化なり映像化の話がある。必ず原作に敬意を払い、原作の世界観を大事にしています」と、『ハコヅメ』の映像化について明かした。

 「原作のコミックスがめちゃくちゃ人気なんですけど、初期のころは一話完結の“交番の日常”みたいな話が続くんです。それをドラマ化すると各話だいたい10分を切るくらいになってしまう。そうなると残りの40分はオリジナルのエピソードで作ることになって、漫画の世界観と変わってしまうことがある。もちろん面白くなる場合もあるし、そういうドラマもいっぱいあるけど、『ハコヅメ』に関しては面白いエピソードがたくさんあるので、いろんなエピソードを一つのストーリーとしてつなげた方がいいな、と。その上で、登場人物たちの気持ちの流れがきちんと起承転結できるように構成していく。だから話のつながりが難しかったりするんです」と本作の脚本作りについて語った。

 実は、ドラマの第1話で描かれた話題の“通常点検”のシーンも、原作では第6巻に登場する。あえて第1話に組み込んだ理由について「初めに書いたのはもっと長かったので、打ち合わせのときに、やっぱり長すぎるんじゃないか、ストーリーに関わるシーンじゃないのにそもそも必要なのか、と議論になりまして。原作でも6巻くらいのエピソードなのに1話に入れることないじゃん、という意見もあった」とコメント。

 そんな“通常点検”のシーンでは、主人公の藤や川合だけでなく、その場にいるみんなの“発してはいけない心の声”が飛び交う演出が話題になったが、「それもまたドラマのセオリーとしてあり得ない、と議論になりました。みんなの“心の声”なんて、普通はあんまりやらないんですよ、主人公の目線で見ていくから。いきなり全員が、ってないんです。だけど面白いじゃないですか。こういうことをやろうとしてるんだな、とドラマの見方も分かってもらえる。だから絶対にやったほうがいい、と」「仕上がりを観たら超面白くて。藤(戸田恵梨香)が警笛を吹いたときのあの顔、あの目、素晴らしすぎましたよね。あれを1話でやったことによって、いつでも“心の声”ができるようになったので、よかったな、と」と、第1話への自信を見せた。

 さらにもう一つ、根本が「どうしてもやりたかった」と言うのが、第4話の“添い寝”シーン。「原作にもあるんですけど、あんなの警察ドラマで見たことない。でもおそらく実際にこういうシーンがあったんだろうな、と。どうしても寝なきゃいけないから寝よう、って。一方の男たちはおじさん刑事に囲まれて寝る。あれもたぶん本当にある話なんだろうな。今までの警察ドラマではあんなシーンないですよ、前代未聞だと思います。こういうところが『ハコヅメ』。ああいう、なんともいえないリアルなものは必ず入れたいと思っています」と今後の展開についても語る。

 「僕は普通に生きている人たちの細やかな日常を描くことが好きなので、どんな原作でもそこは大事にしています。ごはんは何を食べるとか、どうやってお風呂に入るとか、日常の細やかなことでも事件は起こると思うので。だから食べ物のメニューも台本に細かく書き込んじゃう。“こういうのを食べる人って、こういう性格だよね”ってあるじゃないですか。ごはんの食べ方だけでもキャラクターが出るので。細かく書いちゃって嫌がられるんですけ(笑)」「原作でも『警察官なんて、しょーもない普通の人間だよ』というセリフがあるんですけど、まさにそこ。今までの警察ドラマは刑事の推理がすごいとか、熱血とか、正義感が強いとか、割とそういう描かれ方をしていたけど、『ハコヅメ』に出てくる警察官たちはすごく人間臭くて、普通の人なんですよ。文句も言うし、愚痴も言う。そこが魅力なんです。扱う事件も、普通の警察ドラマは殺人事件で人が死んで、誰が犯人で、と描いていくけど、そうことを全く描いてない。もっと身近な事件、誰にでも起こるような出来事、警察官はこんなこともしてるんだな、って。警察官を正義の味方として描くのではなく普通の人として、悩みながら事件にあたっている、解決するために頑張っている、そこを見てほしいですね」と作品の見どころをアピール。

 また、戸田と永野については、「原作があるので当て書ではないけど、お二人がよりリアルに、より魂を吹き込んでくれている。戸田さんの凛としてる顔と、優しい顔と、ちょっとキュートになるときの、あの感じが素晴らしくて。心奪われてしまいました。永野さんも、川合というキャラクターはちょっと失礼だし、急にタメ口聞いたりするし、やる気もなさそうだし、嫌われる要素があるんだけど、永野さんが演じることによってそれが全くない。また髪型がいいですよね、あれでもう川合そのもの。ほんとに感動します」と絶賛を寄せる。

 2人の演技で特に印象に残っているシーンは「1話で川合が犯人を走って追いかけて、でも転んで追いつけなかったのを、藤が捕まえた。それが4話では、転んだ川合に藤が『立て! 走れ!』って言う。あそこは好きですね。川合が一生懸命立ち上がるところ、1話から4話の間でちょっとだけ成長しているところとか。でも5話以降、さらにいいシーンが出てき
ちゃう……」「5話からは川合が似顔絵捜査官として開花して、“これから成長していくぞ”っていう、第2章と言っても過言ではない。面白いシーンが山盛り。川合と藤の合コンがあり、さらに川合は恋に落ちる。これは面白いです。真面目な事件も取り扱いながら、5話は楽しい回。それ以降も原作で人気のエピソード、僕が好きなエピソードをどんどん使っていくので、楽しみにしていてください!」と最後に、第5話以降の見どころを語る根本だった。

■放送情報
『ハコヅメ〜たたかう!交番女子〜』
日本テレビ系にて、毎週水曜22:00〜23:00放送
出演:戸田恵梨香、永野芽郁、三浦翔平、山田裕貴、西野七瀬、平山祐介、千原せいじ、ムロツヨシ
原作:泰三子『ハコヅメ~交番女子の逆襲~』(講談社『モーニング』連載中)
脚本:根本ノンジ
チーフプロデューサー:加藤正俊
プロデューサー:藤森真実、田上リサ(AX-ON)
協力プロデューサー:大平太
演出:菅原伸太郎、南雲聖一、伊藤彰記
(c)日本テレビ
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/hakozume/
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