鈴木伸之、不良役で脚光浴びる “主人公の宿敵”として放つ存在感
大切な人を守るためにまっすぐなタケミチ(北村匠海)に、絶対的な強さとカリスマ性を持つマイキー(吉沢亮)、仲間想いな兄貴肌ドラケン(山田裕貴)……などなど。現在公開中の映画『東京リベンジャーズ』に登場するヤンキーは、魅力溢れるキャラクターが揃っている。
そのなかで、唯一と言ってもいいほど“ダサい”キャラクターが、鈴木伸之演じるキヨマサだろう。タケミチの人生を狂わす元凶ともなった人物で、“最悪の宿敵”と称されている。弱い者には強く強い者には弱いキヨマサは、これまで鈴木が演じてきたキャラクターのなかで、ある意味いちばんの悪役と言ってもいいかもしれない。
思えば、鈴木はこれまでも、主人公の宿敵として存在感を発揮してきた。
たとえば、『今日から俺は!!』(日本テレビ系)で演じた片桐智司。“悪の巣窟”と呼ばれる開久高校の番長で、主人公・三橋貴志(賀来賢人)の因縁の相手だ。灰色の学ランに、リーゼント頭。その佇まいだけで“強い男”だということが伝わってきた。
185センチの長身を持つ鈴木は、立ち向かってくる相手に「敵わない」と思わせる存在感がある。それに加え、野球経験や日々のトレーニングで得た強靭な肉体に、『HiGH&LOW』シリーズでも見せていた高度なアクションスキル。映画『jam』では、台詞一切なしの体当たりアクションに挑んだこともあり、乱闘シーンが必須となるヤンキー作品で引っ張りだこなのにも頷ける。
現在放送中のドラマ『ボクの殺意が恋をした』(読売テレビ・日本テレビ系)でも、華麗なアクションを披露している。ヤンキー作品ではないものの、この作品で演じている八乙女流星(通称:デス・プリンス)も、主人公・男虎柊の前に立ちはだかるヒール役だ。
“スリリング・ラブコメディ”なだけあって、作品自体コミカル要素が強いのだが、鈴木×中川のアクションシーンが、スリルという名のエッセンスを加え、全体をグッと引き締めている。鈴木はコメディ要素満載の『今日から俺は!!』でも同じような役割を果たしており、作品の空気を変えられる俳優としても、注目の存在になっていくことだろう。