米倉涼子が振り返る、“ブラック・ウィドウ”と歩んだ9年間 「すごく大きな経験」

 約1年の公開延期を経て、マーベル・スタジオの新作映画『ブラック・ウィドウ』がついに公開を迎えた。『アベンジャーズ/エンドゲーム』で衝撃の決断を下したブラック・ウィドウ/ナターシャ・ロマノフの過去と秘密が描かれる本作。日本語吹替版では、2012年の『アベンジャーズ』から参加し続けている米倉涼子が、ブラック・ウィドウ/ナターシャ・ロマノフの吹き替えを続投している。ブラック・ウィドウの吹き替えを担当するのが本作で7回目となった米倉に、役作りやこれまでの思い出について話を聞いた。【インタビューの最後には、サイン入りチェキプレゼント企画あり】

「世代交代をしていく寂しさは感じます」

ーー米倉さんがブラック・ウィドウ/ナターシャ・ロマノフを演じるのは今回が7作目となりましたが、最初の『アベンジャーズ』のときは単独映画が作られるなんて想像していましたか?

米倉涼子(以下、米倉):アイアンマンやキャプテン・アメリカなど単独映画は当時も作られていたので、正直「いつか来るんじゃないのー?」とは思っていました(笑)。

ーーブラック・ウィドウは『アベンジャーズ/エンドゲーム』で衝撃的な結末を迎えました。今回の作品は、時系列的には『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』と『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』の間となります。役作り的には難しい部分もあったのではないでしょうか。

米倉:今回、役作り的には細かいことはあまり考えなかったんです。もちろん過去で演じてきたことは振り返ったりはしましたが、このシリーズ自体、どんどんキャラクターが増えていきますし、作品の中でも出てきたり出てこなかったりするので、今回はとにかく『ブラック・ウィドウ』という作品におけるナターシャを演じるのみでした。

ーーナターシャがマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)に登場するのはおそらく今回の『ブラック・ウィドウ』が最後となります。

米倉:MCUって、アベンジャーズをはじめたくさんのヒーローをフィーチャーしなければいけないし、その上、個々のキャラクターの人間らしさや、マーベルらしいコミカルな部分も出していかなければいけない、大変なシリーズだと思うんです。最初は6人だったアベンジャーズが、『エンドゲーム』では倍以上に増えたじゃないですか(笑)。そういう意味では、こうやって終わりを迎えて、世代交代をしていく寂しさは感じます。その中で、一人の人間を長い期間演じることができて、私自身もすごく楽しめました。

ーー2012年の『アベンジャーズ』からブラック・ウィドウと時間を共にしたこの9年間の中で、もっとも印象に残っている出来事はなんでしょう?

米倉:私はもともと吹き替えがあまり得意ではなかったんですけど、一番最初の『アベンジャーズ』で、ロシア語を話さなければいけなかったことですね。「日本語吹き替えなのになんでロシア語を!?」って(笑)。あれはものすごく辛かったです(笑)。

ーーいきなりロシア語のハードルは高いですね(笑)。

米倉:本当に大変でした。逆に、「ふぅ」とか「はぁ」とかはすっごい得意なんですけどね(笑)。

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