カンヌ映画祭、最高賞発表でハプニング? 濱口竜介『ドライブ・マイ・カー』は4冠の快挙

 フランス・カンヌにて開催された第74回カンヌ国際映画祭が、現地時間7月17日に閉幕した。

 最高賞(パルムドール)に選出されたのは、長編デビュー作『RAW~少女のめざめ~』が日本でも好評を博したジュリア・デュクルノー監督の『Titane(原題)』。女性監督作品のパルムドール受賞は、第46回(1993年)のジェーン・カンピオン監督による『ピアノ・レッスン』以来の2回目に。なお、『ピアノ・レッスン』受賞時は、中国のチェン・カイコー監督の『さらば、わが愛/覇王別姫』との同時受賞だっため、女性監督作が単独受賞するのは初となった。

ジュリア・デュクルノー監督の長編デビュー作『RAW~少女のめざめ~』(c)2016 Petit Film, ouge International, FraKas Productions. ALL IGH E E VED

 なお、授賞式冒頭では、今年の審査委員長を務めたスパイク・リーが、間違ってフライングで『Titane』のパルムドール受賞を発表してしまう一幕もあった。

 また、濱口竜介監督作『ドライブ・マイ・カー』は、濱口監督と共同脚本を務めた大江崇允が脚本賞を受賞。日本映画の脚本賞受賞はカンヌ史上初の快挙となった。さらに、国際映画批評家連盟賞、AFCAE賞、エキュメニカル審査員賞でも受賞を果たした。

 そのほか、開催前から映画ファンの間で大きな注目を浴びていたレオス・カラックス監督作『Annette(原題)』も大きな反響を受け、カラックス監督は監督賞を受賞した。

 俳優部門に目を向けると、女優賞が『The Worst Person in the World(英題)』のレナーテ・ラインスヴェ、男優賞が『Nitram(原題)』のケイレブ・ランドリー・ジョーンズに贈られた。

 主な受賞結果は以下の通り。

第74回カンヌ国際映画祭 コンペティション部門 受賞結果

パルムドール(最高賞)

『Titane(原題)』 ジュリア・デュクルノー監督

グランプリ

『Compartment No.6(英題)』ユホ・クオスマネン監督
『A Hero(英題)』アスガー・ファルハディ監督

審査員賞

『Memoria(原題)』アピチャッポン・ウィーラセタクン監督
『Ahed's Knee(英題)』ナダヴ・ラピド監督

監督賞

『Annette(原題)』レオス・カラックス監督

男優賞

『Nitram(原題)』ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ

女優賞

『The Worst Person in the World(英題)』レナーテ・レインスヴェ

脚本賞

『ドライブ・マイ・カー』 濱口竜介、大江崇允

写真:REX/アフロ

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