『ブラック・ウィドウ』幾度の公開延期を経てついに公開! 2年ぶりのMCU映画の出来は?

 リアルサウンド映画部の編集スタッフが週替りでお届けする「週末映画館でこれ観よう!」。毎週末にオススメ映画・特集上映をご紹介。今週は、副編集長・宮川が既に3回鑑賞した『ブラック・ウィドウ』をプッシュします。

『ブラック・ウィドウ』

 ついに……ようやく……MCUが映画館に戻ってきた! 2019年6月28日に公開された『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』以来約2年ぶり。ここに至るまでは長い道のりだった。公開延期の知らせが届くたびに、「この作品を映画館で観られる日は本当に来るのだろうか」という思いが強くなっていったが、度重なる延期や紆余曲折を経て、7月8日より映画館、9日からディズニープラスのプレミアアクセスでの公開を迎えた。

 2019年4月に公開された『アベンジャーズ/エンドゲーム』で衝撃的な結末を迎えたブラック・ウィドウことナターシャ・ロマノフ。本作『ブラック・ウィドウ』で描かれるのは、もちろん彼女がまだ存命の時代、ブラック・ウィドウが登場(カメオ出演を除く)する作品の時系列で言うと、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』と『アベンジャーズ/インフィニティー・ウォー』の間だ。そこに、『アベンジャーズ』でロキによって明かされ、『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』でワンダの能力によって悪夢として蘇った“レッドルーム”の過去が大きく絡みながら物語が展開されていく。

 単刀直入に言うと、MCUの作品としても、ブラック・ウィドウの単独映画としても、スパイアクションとしても、ここ数年でようやく一定数の作品が作られるようになってきた“女性ヒーロー映画”としても、ほとんど文句のつけようのない会心の出来。特にアクションに関しては、肉弾戦、カー(バイク)チェイス、銃撃戦に加え、『ミッション:インポッシブル』シリーズにも匹敵するレベルの壮大なスケールで展開される大迫力の空中戦など見応え十分。また、MCUの他の作品と比べても予想以上に笑えるポイントが多かったのは嬉しい誤算だった。これは、ナターシャの“家族”である、エレーナ役のフローレンス・ピュー、アレクセイ役のデヴィッド・ハーバー、メリーナ役のレイチェル・ワイズのキャスティングがうまくハマった結果とも言えるだろう。

関連記事