志尊淳、犬飼貴丈らが『青天を衝け』に新風を吹き込む 栄一と慶喜が踏み出した新たな道

 さらに栄一は勘定奉行の小栗忠順(武田真治)とも対面。昭武一行のパリ行きの目的は万博だけでなくフランスからの600万ドルの借款成立も重要な役目にあった。借款が成功すれば建設中の横須賀製鉄所を完成させることができる。小栗はアメリカから持ち帰ったネジを圧倒的な技術的の差の象徴として栄一に見せつけ、異国に追いつきたいという思いを熱く語るのだった。

 小栗、そして慶喜に共通しているのが使節団がフランスから帰ってくる5年後、日本がどうなっているのかは誰にも分からないということ。そんな彼らの思いを背負い栄一はフランスへと旅立っていく。「俺が守ってやんべぇ。この国を」ーー幼き頃、高島秋帆(玉木宏)に出会い志した思いを胸に。

 第22回「篤太夫、パリへ」では、いよいよ栄一がパリに到着。万国博覧会の会場で最先端の西洋技術と一緒に待ち受けていたのは、薩摩の紋であった。暗躍する五代(ディーン・フジオカ)。堂々と慶喜の名代としての役目を果たす昭武。コロナ禍で海外ロケが叶わない中、どのようにしてパリの街並みや空気を再現したのかにも大いに注目である。

■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター/編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter

■放送情報
大河ドラマ『青天を衝け』
NHK総合にて、毎週日曜20:00~放送
BSプレミアムにて、毎週日曜18:00~放送
BS4Kにて、毎週日曜9:00~放送
出演:吉沢亮、小林薫、和久井映見、村川絵梨、藤野涼子、高良健吾、成海璃子、田辺誠一、満島真之介、岡田健史、橋本愛、平泉成、朝加真由美、竹中直人、渡辺いっけい、津田寛治、草なぎ剛、堤真一、木村佳乃、平田満、玉木宏ほか
作:大森美香
制作統括:菓子浩、福岡利武
演出:黒崎博、村橋直樹、渡辺哲也、田中健二
音楽:佐藤直紀
プロデューサー:板垣麻衣子
広報プロデューサー:藤原敬久
写真提供=NHK

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