平手友梨奈が“シリーズ第2弾”で大活躍 『ドラゴン桜』『ザ・ファブル』で越えるハードル

 いよいよ最終回を迎える『ドラゴン桜』第2シリーズ(TBS系)にて、物語の中核となる生徒役を演じている平手友梨奈。同世代の共演者らとともに健闘し、多くの視聴者に対して、俳優としてのキャリアアップに繋がる好演を見せつけているところだ。また、映画『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』も公開を迎え、改めて“平手友梨奈という才能”を目の当たりにしている方が多いのではないだろうか。この二つのハードルを、平手は軽々と越えてみせている。

 主演の阿部寛が率いる『ドラゴン桜』には、若手注目株がこぞって参上。俳優活動を活発化させつつあるKing&Princeの高橋海人、映画界で力をつけ、本作で民放の連ドラ初出演を果たした南沙良、子役時代の面影を脱ぎ去る加藤清史郎、“大型新人”から堅実な実力者に変化した鈴鹿央士、主演映画『かそけきサンカヨウ』が公開待機中の志田彩良、今期は『イチケイのカラス』(フジテレビ系)と『ラブファントム』(MBS)にも顔を見せた細田佳央太など、彼らそれぞれに“主役回”が用意され、誰もが自身の実力を示してきた。


 上記の者たちの並びから分かるように、いずれもが将来を嘱望される若手俳優。ここに平手も並んでいるのだ。この事実から分かるのは、彼女が完全に“俳優”として認識されているということだろう。そもそも、平手がゴールデン帯の連続ドラマに出演するのはこれが初である。知名度でいえば彼女がもっとも高いかもしれないが、俳優としてはまだこれから。同世代の者たちとの共演は、かなりの刺激になっているのではないだろうか。

 そんな平手だが、これまでの出演作で演じてきた役は、続編も期待の『響-HIBIKI-』(2018年)での天才高校生小説家や、『さんかく窓の外側は夜』(2021年)での“呪い師”の顔を持つ少女など、いずれも型破りなキャラクターだった。それだけに、今作『ドラゴン桜』ではどんな“問題ガール”ぶりを見せてくれるのだろうかと考えていた方も多いことだろう。ところが、早々に桜木(阿部寛)に懐柔されたので驚いてしまったものである。


 平手が本作で演じているのは、「東大合格」を目指す龍海学園の生徒の一人・岩崎楓だ。同学園のバドミントン部の絶対的エースであり、全国トップクラスの選手でもあったが、膝の不調のため離脱。天下の東大でスポーツ医学を学ぶため、“東大専科”入りを志願した人物である。チームの中心的な位置を占め、リーダーシップを発揮しつつ、みなを盛り立ててきたと思う。そして第8話にて、ようやく問題勃発。とはいえ楓はエキセントリックなキャラクターではなく、等身大のいち高校生だ。平手は、少女が親の期待の重みを感じるさまを悲痛な表情に乗せ、自分の未来を自分自身で掴むための覚悟を、鋭利な声音で示してみせた。俳優・平手友梨奈という存在を、お茶の間に浸透させたのではないだろうか。

関連記事