『コントが始まる』の根底に漂う“孤独” 仲野太賀×芳根京子は『プロポーズ大作戦』を彷彿

 マクベス解散ライブのチラシ裏に書かれた大作戦計画の元、中浜姉妹とも華麗なチームワークを見せながら潤平へのサプライズを決行する奈津美。撮影もドッキリの映像みたいに撮られていて見返すほど面白いのだけれど、仲野太賀の新鮮なリアクションと、春斗に水をぶっかけるという10年前の反復がさらに感動を誘う。帰り道で潤平はようやく「実家の酒屋を継ごうと思ってる」と奈津美に告げ、両親にも会わせてもらえることに。潤平と奈津美の抱擁は美しく、しかしマクベスの解散とともにあるそれはやはり悲しくもある。

 時は動き出すのだ。

 『コントが始まる』はマクベスと中浜姉妹5人の密な交流を中心に据えながらも、根底に常に「孤独」が漂っているのが面白いところだ。第6話も潤平と奈津美の幸せな方向性を提示しながら、残りの4人は迷宮をさまよっているよう。「私の人生にはサプライズなんか起こらないんだろうな」と冗談めかして嘆くつむぎ(古川琴音)がいれば、「俺がやってあげよっか」とフォローするも「瞬ちゃんには最初から期待してませんから」と切り捨てられる瞬太がいる。第4話で母を亡くした彼は「俺にはもうマクベスしかなくなっちゃった」と言っていたことを思い出す。

 春斗と里穂子もまた、「自分には誇れるものが何もない」と将来を案じるふたりである。妹が家を出ていくことも相当こたえている様子の里穂子、潤平と奈津美の仲を取り持つ春斗。つむぎー瞬太、里穂子ー春斗と恋愛関係に収まるのは、いささかドラマ的展開すぎるだろうか。解散(=ドラマ完結)までの残された時間、それぞれがどのような模索を続けるのかしっかり見ていたい。

■原航平
ライター/編集。1995年、兵庫県生まれ。Real Sound、QuickJapan、bizSPA!、芸人雑誌、logirlなどの媒体で、映画やドラマ、お笑いの記事を執筆。Twitterブログ

■放送情報
『コントが始まる』
日本テレビ系にて、毎週土曜22:00〜22:54放送
出演:菅田将暉、有村架純、仲野太賀、古川琴音、神木隆之介
脚本:金子茂樹
演出:猪股隆一、金井紘(storyboard)
チーフプロデューサー:池田健司
プロデューサー:福井雄太、松山雅則(トータルメディアコミュニケーション)
主題歌:あいみょん「愛を知るまでは」(unBORDE/Warner Music Japan)
制作協力:トータルメディアコミュニケーション
製作著作:日本テレビ
(c)日本テレビ
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/conpaji/
公式Twitter:@conpaji_ntv

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