スパイに応募した男性が老人ホームに潜入 『83歳のやさしいスパイ』予告編&場面写真

 7月よりシネスイッチ銀座ほかにて公開される『83歳のやさしいスパイ』の予告編と場面写真が公開された。

 本作は、80〜90歳のスパイを募集する不思議な求人に応募した83歳の男性セルヒオが、老人ホームに潜入し、調査を行う過程を捉えたドキュメンタリー。初スパイの仕事に張り切る心優しいセルヒオがいつしか悩み多き入居者たちの良き相談相手となっていく様子を映し出すと同時に、家族と離れて暮らす入居者たちが漏らす本心から、現代の介護施設の在り方を問う。

 昨年の第33回東京国際映画祭、第17回ラテンビート映画祭にて『老人スパイ』のタイトルで上映され、本年の第93回アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞にもノミネートされた。

映画『83歳のやさしいスパイ』予告編

 公開された予告編は、求人に応募したセルヒオが私立探偵のロムロと面接をしている映像から始まる。スパイに採用され、潜入捜査の説明を受けるが、スマートフォンを使って音声メッセージを送ることもままならず、ロムロを不安にさせる。老人ホームへの潜入が始まるも、似ている顔の入居者たちの中で、ターゲットとなる依頼人の母親が特定できなかったり、純粋に施設内でのパーティーを楽しんでしまいロムロに叱られたりと、慣れない環境で奮闘する姿がコミカルに映し出される。一方で、面会者が訪れず孤独を感じる入居者に「泣きたければ泣いていいんですよ」と声を掛ける優しい一面も捉えており、チャーミングで思いやりのあるセルヒオの人柄がよく分かる予告編となっている。

 あわせて公開された場面写真では、セルヒオがペン型の隠しカメラをルーペで覗くスパイらしい姿を捉えたものから、入居者と楽しそうに会話をする様子、家族に囲まれハグをしている場面など、83歳にして楽しみながら新しいことに挑戦する姿が切り取られている。かつて私立探偵の助手として働いた経験のあるマイテ・アルベルディ監督は、ホームの許可を得てセルヒオがスパイであるとは明かさずに3か月間撮影。「鑑賞後に、親や祖父母に連絡したいと思ってもらえたら」と語っている。

■公開情報
『83歳のやさしいスパイ』
7月より、シネスイッチ銀座ほか全国順次公開
監督・脚本:マイテ・アルベルディ
出演:セルヒオ・チャミー、ロムロ・エイトケン
配給:アンプラグド
2020年/ドキュメンタリー/チリ・アメリカ・ドイツ・オランダ・スペイン/89 分/カラー/ビスタ/5.1ch/日本語字幕:渡邉一治
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公式サイト:83spy.com

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