テラシマユウカの「映画の話しかしてなかった」

テラシマユウカ、『BLUE/ブルー』に見た“勝ち負け”より大事なもの 吉田恵輔監督と語る

 映画を愛してやまないPARADISES(パラダイセズ)のテラシマユウカの連載企画「映画の話しかしてなかった」。本企画では、大の映画好きを公言してやまないテラシマユウカが、毎回ゲストを招いて、ただただ映画について語り合う。

 第2回目となる今回のゲストは、映画『BLUE/ブルー』が全国公開中の吉田恵輔監督。森田剛主演が話題を呼んだ『ヒメアノ~ル』から『BLUE/ブルー』までの変化、アイドルと映画監督の違いから、吉田監督の作家論まで、話は多岐に渡った。

テラシマユウカの「映画の話しかしてなかった」#2 『BLUE/ブルー』吉田恵輔監督

「負けた後の行動と捉え方で、それが本当に勝ちか負けか分かる」

ーーテラシマさんは『BLUE/ブルー』をどうご覧になりましたか?

テラシマユウカ(以下、テラシマ):私はあまりボクシングのことはわからないんですが、ボクシングに詳しくなくても今まで生きてきて、なにかに一生懸命になったり、努力をしてきた経験がある人なら、すごく共感できる作品だと思いました。私自身、勝ち負けで言ったら負けていることの方がずっと多いんです(笑)。でも、この映画を観て、人生において大事なことって勝ちとか負けとか表面上のものじゃないというメッセージが伝わってきて。自分の今までを振り返ってみて、またグッとくるものがありました。

吉田恵輔(以下、吉田):よかったです。自分がボクシングをずっとやってきたのもあって、“ボクシングあるある”をいっぱい入れていたから、ボクシングを知らない人に伝わるのかという不安があったので(笑)、そう言ってもらえると嬉しいですね。

『BLUE/ブルー』(c)2021「BLUE/ブルー」製作委員会

ーーアイドルも、ボクシングではないですが、プロレスとあわせて語られることが多い気がします。テラシマさん自身の経験と重なる部分もありましたか?

テラシマ:そうですね。私は今、アイドルという職業ですが、実はオーディションに合格していないんですよ。まさにいわゆる“負け組”って言われてきた立場で。でも、負けた後の行動と捉え方で、それが本当に勝ちか負けか分かるんだとこの映画を観ていて思いました。

吉田:ボクシングに限らずいろいろな場所が、結果が全ての世界ですよね。ただ、チャンピオンも負けた人も、努力して流してきた汗や涙にそんなに差はないと思う。負けたからってそういう汗や涙がなかったものにされちゃうのって悲しいじゃない? 勝ったにせよ、負けたにせよ、いつか人って死んじゃうんだから、死ぬときに「やらなきゃよかった」と言うより「俺、負けたけどこれだけ頑張ったな」と言えたらいいなと。だからテラシマさんもお墓に入るときには「私、これまで頑張ったな」と思ってください(笑)。

テラシマ:そう思ってお墓に入るようにします(笑)。今までもそうでしたし、これからも挫折しそうなときが絶対あると思うんですけど、そんなときに思い出したくなる作品です。瓜田(松山ケンイチ)がリングに入る背中を映しながら『BLUE/ブルー』ってタイトルが出るじゃないですか。そのシーンが、最初になにも物語を知らない状態で観たときと、物語を全部観終わってからそのシーンを思い出してみたときに、全然違って見えたんですよね。

吉田:そうですね。この台本の最後の1行も「後ろ姿が美しい」で終わっているので。自分も後ろ姿はかっこよくありたいと思うんです。あのシーンは松山さんだから体現できたものかなと思います。