水川あさみ×山田真歩に惹かれずにはいられない 『ナイルパーチの女子会』が描く恐怖と共感

 BSテレ東で放送中の『ナイルパーチの女子会』は、柚木麻子の原作を、水川あさみと山田真歩をメインキャストにドラマ化したものだ。地上波の放送ではないが、次の放送が気になって仕方のない番組のひとつになっている。

 水川演じる大手総合商社に勤めるキャリアウーマンの志村栄利子は、主婦インフルエンサーのSNS日記「おひょうのダメ奥さん日記」を楽しみに読んでいた。ある日、偶然その作者の丸尾翔子(山田真歩)と出会うところから物語はスタートする。

 お互いに女友達がいない2人は意気投合。出会ったその日には、連絡先を交換し、自転車に2人乗りをして、また会おうと約束をして別れたのだった。

 しかし、次に栄利子が連絡をすると、翔子はいっこうに電話に出ない。そのことで嫌われたのではないかと疑心暗鬼になった栄利子は、何度も何度も電話をし、SNSをすみからすみまで読み、持ち前の仕事能力を発揮し、市場調査と偽って翔子の夫の勤め先と思われるスーパーにまでしらみつぶしに電話をかける。結果、翔子の家を突き止める。

 その行動に疑問を感じた翔子だったが、せっかくできた友人が心配してくれているからと、付き合いを続けていく。しかし、栄利子の行動はエスカレート。翔子のストーカーのようになっていき、ついには翔子のブログを乗っ取り、商社の仕事にも身が入らなくなってしまう。

 本作のタイトルにある「ナイルパーチ」というのは、スズキの代用品として、日本でもよく食されている魚で、その狂暴性で生態系を壊してしまう恐れのあるほどの生き物である。実際、水産資源、つまり人間が食べるために、元々いたアフリカ・ヴィクトリア湖に放流されると、その生態系を壊してしまったという事実もある。また、その姿が美しいと鑑賞魚としても人気があるのだという。

 栄利子が商社で扱っているのも、そのナイルパーチであり、彼女はナイルパーチに重ねられている。彼女は仕事もできて美しく、誰もがうらやむような生活をしているように見えるが、人間関係で納得がいかないことが起こると獰猛化し、そのコミュニティを崩しながら生きてきた。