『狂ったバカンス』『太陽の下の18才』など4作品 カトリーヌ・スパークの特集上映開催

 フランス人女優カトリーヌ・スパークの特集上映「SPAAK! SPAAK! SPAAK! カトリーヌ・スパーク レトロスペクティブ」が5月21日より開催されることが決定し、予告編とポスタービジュアルが公開された。

 パリ生まれ、パリ育ちでありながら、イタリア映画で人気を博した女優カトリーヌ・スパーク。『大いなる幻影』や『嘆きのテレーズ』などで知られる名脚本家シャルル・スパークを父に持ち、幼い頃から映画に親しんだ彼女は、ジャック・ベッケル監督作『穴』に端役で出演したのを機に本格的に女優を志す。父には猛反対されるも、イタリアの大物プロデューサー、カルロ・ポンティと、大女優ソフィア・ローレンの強い後押しによって、1960年のイタリア映画『十七歳よさようなら』で鮮烈な主演デビューを果たした。

 スパークは、娯楽映画全盛期のイタリアで大ブレイク。アンナ・カリーナやクラウディア・カルディナーレといった次世代フレンチロリータたちと並ぶ人気を集め、そのヘアスタイルやファッションを真似する女性たちが続出した。

 今回の特集では、美少女に狂わされる中年男を描いたイタリアン・バカンス映画の異端作『狂ったバカンス』、ナポリ湾に浮かぶイスキア島を舞台に恋に奔走する若者たちを色彩豊かに描いた『太陽の下の18才』、アルベルト・モラヴィアのベストセラー小説『倦怠』を下敷きにした青年画家とモデルの不条理な愛の物語『禁じられた抱擁』、性の世界に踏み込む若き未亡人とジャン=ルイ・トランティニャン演じる医者のフェティッシュ・コメディ『女性上位時代』をラインナップ。スパークの小悪魔的な魅力を余すことなく堪能できる代表作4作品であり、『禁じられた抱擁』は1964年の初公開以来50年以上の時を経て、初のデジタルリマスター版での公開となる。

 公開されたポスターは、アンニュイな表情が印象的な『狂ったバカンス』のカットを大きく捉えながら、各作品のさまざまな表情も切り取られている。

映画「SPAAK! SPAAK! SPAAK! カトリーヌ・スパー ク レトロスペクティブ」予告編

 予告編では、2020年この世を去ったエンニオ・モリコーネや、『イル・ポスティーノ』『キル・ビル vol.1』のルイス・エンリケス・バカロフ、『黄金の七人』のアルマンド・トロヴァヨーリといったイタリア映画音楽界の巨星たちによる音楽にもフィーチャー。まだ駆け出しのモリコーネが注目を浴びるきっかけとなった『太陽の下の18才』のツイストナンバーは公開当時日本でもヒットした。ファッションや美術など、レトロな雰囲気も切り取られている。

 オリジナルポストカード付き前売券は、今週末3月13日よりヒュ ーマントラストシネマ渋谷にて、20日よりメイジャー・ネット通販にて販売開始となる。

上映作品

『狂ったバカンス』 
監督:ルチアーノ・サルチェ
音楽:エンニオ・モリコーネ
出演:カトリーヌ・スパーク、ウーゴ・トニャッツィ
1962年/イタリア/モノクロ/スコープ/モノラル/109分
(c)Licensed by COMPASS FILM SRL - Rome - Italy. All Rights reserved.

『太陽の下の18才』
監督:カミロ・マストロチンクェ
音楽:エンニオ・モリコーネ
出演:カトリーヌ・スパーク、ジャンニ・ガルコ
1962年/イタリア/カラー/ビスタ/モノラル/100分
(c)Licensed by COMPASS FILM SRL - Rome - Italy. All Rights reserved.

『禁じられた抱擁』
監督:ダミアーノ・ダミアーニ
音楽:ルイス・エンリケス・バカロフ
出演:カトリーヌ・スパーク、ホルスト・ブッフ ホルツ、ベティ・デイヴィス
1963年/イタリア=フランス/モノクロ/ビスタ/モノラル/105分
(c)1963 Compagnia Cinematografica Champion - Les Films Concordia. All rights reserved.

『女性上位時代』
監督:パスクァーレ・フェスタ・カンパニーレ
音楽:アルマンド・トロヴァヨーリ
出演:カトリーヌ・スパーク、ジャン=ルイ・トランティニャン
1968年/イタリア/カラー/ビスタ/モノラル/94分
(c)1968 SNC (GROUPE M6)

■公開情報
「SPAAK! SPAAK! SPAAK! カトリーヌ・スパーク レトロスペクティブ」
5月21日(金)より、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開
公式サイト:www.spaak2021.com

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