『モコミ』第1話から小芝風花の魅力が炸裂! モノと話せる少女役で好演光る

 この突拍子もない、ただ多くの人がかつて憧れたことのあるだろう“動物やペットの気持ちがわかったらなぁ”“ぬいぐるみと話してみたい”という願望を叶えられる世界線に、小芝の持つ可憐さやピュアさ、少し浮世離れしたメルヘンさがよく似合う。これまでは“ピュア”であるがゆえに巻き込まれる側だったのが、その“ピュアさ”ゆえに周囲を振り回してしまい、内に籠もってしまうようになるのだ。

 彼女の優しさがよく現れていたのが、ぬいぐるみを抱きかかえながら話しかけるシーンだ。一方的にモノに自分の気持ちをぶつけるのではなく、本当に話し相手として耳を傾けながら“バイト休んじゃったよ〜”とこぼしていた。当初、このドラマの設定を読んだ際に、モノ側の声も流れるのか気になったのだが、今のところモノ側の声は発せられず、萌子美が代弁したり相槌を打つ形で我々視聴者はモノ側の気持ちを知ることができるようになっている。だからこそ、彼女がきちんとモノを慈しみながら向き合ってはじめて出来る間合いや空気感がとても重要になってくるのだ。モノ側と我々の橋渡し、通訳をしてくれるのが小芝演じる萌子美であるがゆえ、我々もすんなりとこの設定を受け入れられるのだと改めて思わされる。

 ままならない世界を生きる姿を演じる小芝風花もまた新鮮だ。これまでも空気を読んでばかりいるキャラクターを演じることはあったが、それどころではなく自分の内に完全に閉じ込もってしまっている萌子美がどんな風に自分自身や家族、周囲と向き合い双方の“生まれ変わり”を見せてくれるのか、温かい気持ちを分けてもらいながら見守りたい。

■楳田 佳香
元出版社勤務。現在都内OL時々ライター業。三度の飯より映画・ドラマが好きで劇場鑑賞映画本数は年間約100本。Twitter

■放送情報
『モコミ~彼女ちょっとヘンだけど~』
テレビ朝日系にて、毎週土曜23:00~23:30放送
出演:小芝風花、加藤清史郎、工藤阿須加、田辺誠一、富田靖子、橋爪功、水沢エレナ、内藤理沙ほか
脚本:橋部敦子
演出:竹園元(テレビ朝日)、常廣丈太(テレビ朝日)、鎌田敏明
音楽プロデュース:S.E.N.S. Company
音楽:森英治
エグゼクティブプロデューサー:内山聖子(テレビ朝日)
プロデューサー:竹園元、中込卓也(テレビ朝日)、布施等(MMJ)
制作著作:テレビ朝日
制作協力:メディアミックス・ジャパン(MMJ)
企画協力:オスカープロモーション
(c)テレビ朝日

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